筑波大学附属病院と一誠商事株式会社は、「一誠商事 & 筑波大病院 キッズハウスプロジェクト」を立ち上げ、平成28年6月1日(水)より運用を開始いたしました。
本プロジェクトは、陽子線治療に代表される筑波大学の先進的な治療を求めて、遠方より来院する小児がん患者さんとそのご家族に対し、病院近接の滞在施設を低価格で提供、先端医療と滞在施設を通じて小児がんと闘う子供たちを応援するもので、まず通院により陽子線治療を行う小児がんの患者さんとその家族を対象とし、今後、順次その範囲を拡大していく予定です。
■背景■
陽子線治療は放射線治療の一種で、正常な組織への影響を軽減できる治療法です。現在、筑波大学附属病院をはじめとする国内11の施設で、年間約3,000人の患者さんが治療を受けています。平成28年4月より、小児がんに対しても保険診療として収載されました。これは、1983年より陽子線治療のパイオニアとして取り組んできた筑波大学附属病院の優れた実績が認められたものです。
小児陽子線治療は、化学療法などの全身管理が必要な治療を併用することが多く、小児科との連携が必須です。しかしながら、国内の陽子線治療施設のほとんどは小児科が併設されておらず、化学療法や年齢の問題で鎮静が必要な患児の多くが、小児がん医療体制が整っている筑波大学附属病院での治療を求めています。これまでに全国から陽子線治療が必要な小児がんの患者さん273名の受入れ実績があり、保険診療となった今年度は、100名以上の受け入れが見込まれています。
一方、放射線治療は正常な組織への影響を考慮して、少しずつ放射線を照射する分割照射を行うことから、治療には1~2か月の期間を要します。遠方からお越しになる入院の必要がない患者さんの場合、治療期間中は病院近隣の宿泊施設から毎日通院するなど、滞在費用が経済的負担になることも少なくありません。さらに、治療が長期間にわたることから、入院患者さんに付き添われるご家族の精神的負担を軽減するためにも、我が家のようにホッとできるプライベート空間の提供が急務となっていました。
■プロジェクトの概要■
本プロジェクトは、こうしたニーズを叶えるために、社会貢献活動を推進する一誠商事の支援を得て実現したものです。今回提供される滞在施設は、一誠商事が管理する1Kのアパートで、病院より徒歩5分という好立地です。利用料金は、実質1日1,500円(水道光熱費は施設管理者である一誠商事が負担)、利用期間は治療期間をベースに決定され、入居中の住まいトラブルのサポートは一誠商事によって行われます。当面の利用対象者は、通院により陽子線治療を行う小児がんの患者さんとその家族とし、今後、順次その範囲を拡大していく予定です。
■利用条件■
・実質利用料金
部屋のみ利用 :1日 1,500円
駐車場・部屋利用:1日 1,600円
※水道光熱費は一誠商事(施設管理者)負担
※退去時クリーニング代(10,000円)利用者負担
・設備・備品
エアコン、テレビ、冷蔵庫、レンジ、オーブントースター、コンロ、照明、ドライヤー、掃除機、
寝具、洗濯機、洗濯用品、電気ケトル、インターネット環境など
・利用可能期間:治療に要する必要期間
・手続き方法:病院内の手続き窓口にて実施




