※2020年7月現在
ねえねえ。私のお友達のお姉さんご夫婦が、おうちを買う計画を立ててて、気に入った住まいを見つけたんだけど…、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で「本当に今、買っていいのか」って悩んでるの。どう考えたらいい?
新型コロナウイルスがやってきて、生活は一変してしまったのう。 確かに、気持ちに変化があるのは誰にでもあることじゃ。 今、買っていいのか、自分の状況をみながらもう一度、問いかけてみよう。
うん、そうだね。
ここで、たくさんの中から、欲しい住まいに出会ったのは、運命ともいえるじゃろ。
ただ、一つ、考えたいのはきちんと払っていけるのか、といったことじゃ。お友達のお姉さんもこれが心配なんじゃろ。大切なのは、無理のない資金計画じゃ。
もし、今回のコロナショックで毎月の収入が減ってしまったのであれば、頭金を多くするか、物件価格を下げたり、オプションプランを取りやめたりするなど、負担のないローン計画を立てることから始めたい。 あるいは、残念ながら今回は見送る判断も大切じゃろ。くれぐれも「生活を切り詰めればなんとかなる」という考え方は避けよう。
さらに、長期に支払っていくローンじゃから、 増減する可能性が高いボーナス払いはできる限り避けたほうがいいぞ。そして、毎月返済額が固定される長期の固定ローンを選ぶのが理想じゃ。もし、変動金利を選ぶとしたら、金利が上昇したときのことも考えて、毎月返済額がアップしたときの手当を考えておきたいぞ。
ただ、もし、収入が減っておらず、今後もきちんとした毎月分が見込めるのであれば、予定通りの資金計画で動けそうじゃ。
そうかー。きちんとした資金計画と、望む住まいとの出会いはある意味、チャンスってことだね。
ここで購入したときのメリットをみてみよう。
たとえば、金融機関から10年以上、お金を借りて住宅を購入すれば
「住宅ローン控除」が利用できる。
さまざまな条件を満たす必要があるが、年末の住宅ローンの残高1%か、最大年40万円を上限として、10年間、税金が戻ってくるぞ。支払った所得税が上限になるが、所得税から控除しきれないものは住民税からも控除される。
しかも、2020年12月末までの入居であれば、税金が戻る期間は13年間に延長されておるぞ。
11年目~13年目の控除額は、
1)住宅ローン残高の1%
2)建物の取得価格(上限4000万円)の2%÷3
上記の1)か2)のうち、いずれか少ない方となる。
ここで、新型コロナウイルスによる影響が勘案されておる。 入居が2020年12月末までできなかった場合でも、たとえば、注文住宅であれば、2020年9月末までの契約で、分譲住宅や中古住宅であれば2020年11月末までに契約し、2021年12月末までに入居すれば、13年間の延長が受けられるぞ。 ただし、この場合は、新型コロナウイルス感染症の影響によって、入居が遅れたことが条件じゃ。
そっか~。毎年、税金の大部分が戻ってくるなんて、本当に助かるね。
このほかにな。金融機関でローンを組むときは、死亡か、所定の高度障害になったら、残された家族のローン返済の負担がゼロになる「団体生命信用保険」(団信)に加入することが義務づけられている。 保険料は、金利に含まれているから、もし、大黒柱に万一のことがあっても家族はローン返済なしで、その家に住み続けられる制度もあるぞ。
えー。それは安心だね!
それに、コロナとは、これからも共生していかなければならん。だから先のことも考えていく必要があるな。
先ほど教えた団信には、特定の病気になると保障される「疾病保障保険」というものがある。 保険料は金利に上乗せされる事例が多いが、ガンや脳卒中、急性心筋梗塞を対象にした「3大疾病保障付き」、これに高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎といった5疾患を加えた「8大疾病保障付き」というものある。この病気になって働けない状態が一定期間続くなど、指定された条件に該当した状態になると、住宅ローンがゼロになるんじゃ。どんな場合でもゼロになるわけではないが、助かるのう。
ただ、団信は保険じゃ。加入の際に健康状態の審査がある。購入を先延ばしにして、何らかの病気にかかったら、団信に加入しないで借り入れする、すでに加入している保険金を計算しておき万一の際を手当てしておく、といった方法しかない。 しかし、これだと、大黒柱になにかあったときに、残された家族はローンを返済していかないとならんことになりそう。大変じゃ。
うん。そうだね。
ただ、注意してほしい。
わしは買うメリットを伝えたが、「今、誰でもなんでも、とにかく買ったほうがよい」と決して言っておらん。 先にも言ったように、気に入った住まいがあるからと言って、資金計画に無理があれば、破綻する可能性がある。
人生、いつ何が起きるかは誰にもわからん。今回のコロナショックはまさにその典型じゃな。こういったときにきちんと今後の人生を考えて、さまざまなリスクを手当てして、欲しいという住まいがあるなら、それは「よい縁があった」といえるじゃろ。
家という心落ち着ける場所ができたことで、不安定な気持ちが楽になるかもしれんぞ。
うんうん。ほんとだね。ハカセ、今回もありがとう!!
今回のポイント
- その1 住宅ローン控除が13年間になる条件が延長された!
- その2 死亡時などにはローンがゼロになる団信がある!
- その3 リスクを手当てした資金計画で安心の住まいを!
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記事の監修者:一誠商事編集部
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