アパート賃貸経営の収入はどのくらい?収入・支出の内訳を理解して所得を最大化しよう
アパート賃貸経営の収入には、家賃や礼金、更新料などが含まれます。所得を最大化するためには、収入を維持できるよう努めるだけでなく、いかに支出を減らすかも大切です。
今回は、アパート賃貸経営の収入と支出の内訳を解説するとともに、所得を増やすために知っておきたいポイントなども紹介します。アパート賃貸経営に興味がある方はもちろん、すでに経営を始めている方もぜひ参考にしてください。
目次
不動産所得の平均は約543万円
不動産所得とは、土地や建物といった不動産を貸し付けて得た利益のことで、「総収入金額-必要経費」で算出されます。アパート賃貸経営にて発生した利益も、不動産所得に該当します。
国税庁の令和3年分「申告所得税標本調査結果(概要)」によると、アパート賃貸経営を含む不動産所得の平均額は、約543万円でした。
アパート賃貸経営の収入内訳
ここでは、アパート賃貸経営における「収入」の内訳を紹介します。
アパート賃貸経営の主な収入は「家賃」
アパート賃貸経営では、家賃(管理費・共益費を含む)が主な収入源となります。家賃収入は、家賃の設定金額・部屋数・入居率によって、大まかなシミュレーションが可能です。
家賃の設定金額や部屋数は、頻繁に変える(変わる)ものではありません。一方で、入居率は、建物の維持管理状態や周辺環境の変化など、さまざまな要素の影響を受けて変動します。
入居率が低くなればなるほど家賃収入は減っていくため、アパート賃貸経営では、入居率を高く維持する施策が欠かせません。
家賃以外のアパート賃貸経営収入
アパート賃貸経営の家賃以外の収入には、以下のようなものが挙げられます。
礼金 | 賃貸借契約時に、入居者がアパートのオーナーに支払う謝礼金のことです。一般的には、家賃の1~2ヵ月分が相場とされています。ただし、入居率を高めるため、礼金を受け取らない、または相場よりも低く設定するケースもあります。 |
更新料 | 入居者が賃貸借契約を更新する際に、家賃の1ヵ月前後分を相場として支払う費用です。礼金と同様に、空室対策として更新料を受け取らない選択肢もあるでしょう。 |
駐車場代 | 入居者が駐車場を利用する際に、毎月の賃料として支払う費用です。金額は毎月数千円~数万円と、地域によって差が出やすいのが特徴です。 |
その他 | アパートに付帯する自動販売機や太陽光発電設備などから収入が発生することもあります。 |
アパート賃貸経営の支出内訳
続いて、アパート賃貸経営における「支出」の内訳も見てみましょう。
管理費・管理委託費
アパートの管理組合の運営費や共用部の光熱費・清掃費、管理人の人件費などの支出が発生します。
アパートの管理業務を管理会社へ委託する場合は、「管理委託費」として報酬を支払わなければなりません。管理委託費の具体的な金額は、管理会社や委託する業務内容によって異なります。
入居者募集にかかる費用
入居者を募集するためには、広告費や宣伝費がかかるでしょう。費用相場は、家賃の1~2ヵ月分程度が目安です。入居者募集業務を不動産会社へ委託する場合は、仲介手数料の支払いが必要なケースもあります。
修繕費
入居者が入れ替わる際にかかる設備交換費や、建物・設備が破損した場合の修繕費、外壁塗装などのメンテナンス費用も考慮する必要があります。これらの費用は、アパートの住環境を維持するうえで欠かせません。
修繕費は高額になるケースが多いため、収入の一部を積み立てるなどして準備しておくのが基本です。
保険料
火災や自然災害などによる損害をカバーするために、保険への加入は必須といえます。そのため、火災保険料や地震保険料なども代表的な支出項目の一つです。
保険料の金額や保険期間、保障内容は、保険会社によって異なります。
税金
アパート賃貸経営では、以下のような税金がかかります。
不動産取得税 | アパート賃貸経営を始める際、アパート(土地・建物)を取得したタイミングで課される税金です。ただし、相続によりアパートを引き継いだ場合などは、不動産取得税はかかりません。 |
所得税・住民税 | アパート賃貸経営で不動産所得が発生した場合、その金額に応じて納税する税金です。 |
固定資産税 | 不動産の所有者に対して課される税金で、アパート賃貸経営の場合は土地と建物の両方が対象となります。 |
ローン返済費
アパート経営を始める際、金融機関からお金を借りてアパート(土地・建物)を取得した場合は、毎月のローン返済費も支出項目となります。ローン返済費は支出全体に占める割合が大きくなりやすいため、しっかりと返済計画を立てておく必要があります。
ローンの返済方法は、大きく分けて以下の2つです。
元利均等返済 | 毎月の返済額が一定になる返済方法。返済計画を立てやすい特徴から、多くのケースで選択されています。 |
元金均等返済 | 毎月の元金の返済額が一定になる返済方法。元金が早く減る分、元利均等返済よりも利息の支払いを抑えられます。 |
アパート賃貸経営の手取り収入の目安
ここでは、アパート賃貸経営の手取り収入の目安を試算してみましょう。とある年の収入や支出について、前提条件は以下のとおりとします。
総戸数 | 8戸(満室・退去予定なし) |
家賃 | 毎月6万円/戸(管理費・共益費含む) |
駐車場代 | 毎月1万円/台(契約台数2台) |
光熱費 | 毎月1万円(共用部) |
管理委託費 | 家賃収入の5%(年間) |
修繕積立金 | 年間35万円 |
ローン返済費 | 家賃収入の30%(年間) |
固定資産税 | アパート賃貸経営を始める際、アパート(土地・建物)を取得したタイミングで課される税金です。ただし、相続によりアパートを引き継いだ場合などは、不動産取得税はかかりません。 |
所得税・住民税 | 年間150万円 |
固定資産税 | 年間15万円 |
礼金や入居者募集にかかる費用など、上記に記載のない収入・支出は発生していないものとします。
また本業収入や扶養家族の有無によっても変わりますので、概算となります。
年間収入
•家賃:6万円×8戸×12ヵ月=576万円
•駐車場代:1万円×2台×12ヵ月=24万円
合計:576万円+24万円=600万円
年間支出
•光熱費:1万円×12ヵ月=12万円
•管理委託費:576万円×5%=28万8,000円
•修繕積立金:35万円
•ローン返済費:576万円×30%=172万8,000円
•所得税・住民税:150万円
•固定資産税:15万円
合計:12万円+28万8,000円+35万円+172万8,000円+150万円+15万円=413万6,000円
よって、年間の手取り収入は「600万円-413万6,000円=186万4,000円」となります。
アパート賃貸経営で手取り収入を上げる2つのコツ
最後に、アパート賃貸経営で手取り収入を上げるためのコツを2つ解説します。
利回りを向上させる
どの物件を選ぶかによって利回りは大きく左右されるため、立地やニーズなどを踏まえて高い利回りが見込める物件を選びましょう。併せて、長期的な収支計画を立てることも大切です。
また、特に初めてアパート賃貸経営をする場合は、自分では判断が難しい事柄も多いでしょう。必要に応じて、専門家のアドバイスを受けることも検討してみてください。
経営リスクへ備える
アパート経営には以下のようなリスクがあります。
空室リスク | 建物の経年劣化や周辺環境の変化などにより、空室が増えてしまうリスク |
家賃滞納リスク | 入居者が家賃を滞納し、予定どおりの家賃収入が得られないリスク |
入居者トラブルリスク | ペットの飼育や同居者にまつわる規約違反、騒音など、入居者がトラブルを引き起こすことで、ほかの入居者が退去してしまうリスク |
修繕リスク | 想定していなかった修繕が発生するリスク |
災害リスク | 災害に見舞われ、建物などが損害を受けるリスク |
これらのリスクに備えておくことも、アパート賃貸経営で手取り収入を上げるコツです。
まとめ
アパート賃貸経営の代表的な収入・支出をまとめたものが、以下です。
収入 |
•家賃 •礼金 •更新料 •駐車場代 |
支出 |
•管理費・管理委託費 •広告費・宣伝費 •修繕費 •保険料 •各種税金 •ローン返済費 |
入居率を高く維持する施策とともに、余分な支出を抑える取り組みをして、所得の増加を目指しましょう。また、これからアパート賃貸経営を始める場合は、さまざまな観点から適切な物件を選ぶことが大切です。
一誠商事の「賃貸管理サポートシステム」を活用すれば、手間のかかるアパートの管理業務を任せられるだけでなく、入居率を高めて所得の増加を目指せます。アパート賃貸経営に関するご相談があれば、お気軽にご相談ください。
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記事の監修者:一誠商事編集部
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