「本業とは別に収入源を確保したい」「親族のアパートを相続した」などといった理由で、アパート経営を始めようとするサラリーマンの方もいるのではないでしょうか。
サラリーマンがアパート経営を始める際は、アパート経営と副業との関係や、経営時の注意点などを理解しておく必要があります。
今回は、サラリーマンがアパート経営をする際の条件や注意点についてわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
サラリーマンでもアパート経営は可能!
基本的には、サラリーマンもアパート経営ができます。しかし、実際にアパート経営をするにあたっては、「アパート経営ができる」といえる理由や、アパート経営ができないケースなども知っておくべきでしょう。
ここでは、アパート経営の基礎知識として3つの観点から解説します。
アパート経営と副業の関係
アパート経営は不動産投資の性質も持つことから、すべてのケースが副業に該当するわけではありません。副業とみなされるのは、「事業的規模」にあたる一定規模以上のアパート経営です。
「一定規模以上」とは、「独立した室数が10室以上」または「独立した家屋が5棟以上」が目安となります。この基準を下回る規模のアパートなら、勤務先が副業を禁止しているかどうかに関係なく経営できる可能性が高いでしょう。
アパート経営の忙しさ
アパート経営では、入居者の募集・審査、契約書類の作成・締結、家賃の回収、共用部分の清掃、更新・退去手続きなど、幅広い業務が発生します。
日中はサラリーマンとして働き、空き時間に上記の業務をこなすのは、決して容易ではありません。さらに、入居者から「設備に不具合があるためすぐに対応してほしい」といった緊急の要望があっても、サラリーマンとして働いている時間帯には対応が難しいでしょう。
経営規模にもよりますが、サラリーマンとして働きながら安定したアパート経営を実現するためには、管理会社などに業務を委託するのが現実的です。
アパート経営に必要な資格
アパート経営に必須の資格はありません。したがって、宅地建物取引士などの資格を持っていないサラリーマンでも、アパート経営への参入は可能です。
ただし、アパート経営を続けていくには、ある程度の知識が求められます。資格取得まではいかなくても、知識量を増やすための情報収集を心がけるとよいでしょう。
サラリーマンがアパート経営をするための条件
先述のとおり、サラリーマンでも5棟10室未満のアパートなら、問題なく経営できる可能性が高いといえるでしょう。
一方で、5棟10室以上のアパートを経営する場合は、勤務先が副業を禁止しているかどうかがポイントになります。就業規則を確認し、状況に応じて勤務先に相談しましょう。
また、副業自体は認めている会社でも、事前に届出をして許可を受けることが条件となっているケースは少なくありません。後々トラブルにならないよう、必要な手続きは忘れずに済ませましょう。
公務員がアパート経営をするための条件
公務員は、法律で副業が禁止されているため、一般的なサラリーマンよりもアパート経営をするための条件が厳しいのが特徴です。ここでは、公務員がアパート経営をするにあたってクリアすべき条件を3点紹介します。
経営の規模
公務員の場合も、サラリーマンと同様に「5棟10室」という基準を考慮する必要があります。5棟10室以上のアパート経営は副業扱いとなるため、公務員は認められません。
棟数・室数それぞれの基準をクリアしているか、チェックが必要です。
家賃収入の額
公務員がアパート経営で得る家賃収入は、年間500万円未満に留める必要があります。例えば、1棟6部屋のアパートを経営するケースを想定してみましょう。
【1部屋の賃料が6万円の場合】
毎月の家賃収入:6万円×6部屋=36万円
年間の家賃収入:36万円×12ヵ月=432万円
【1部屋の賃料が7万円の場合】
毎月の家賃収入:7万円×6部屋=42万円
年間の家賃収入:42万円×12ヵ月=504万円
上記のように、1部屋の賃料が6万円の場合は500万円未満に収まりますが、1部屋の賃料が7万円の場合は、500万円を超えるため副業扱いとなってしまいます。
業務の範囲
公務員には、国家公務員法・地方公務員法に定められた「職務に専念する義務」があります。職務に専念する義務とは、勤務時間中は公務員としての職務の遂行に関係のない行為をしてはならない旨を定めたものです。
職務専念義務に反しないためにも、アパート経営の管理業務は第三者に委託したほうがよいでしょう。
サラリーマンのアパート経営の注意点
最後に、サラリーマンがアパート経営をするうえで、注意すべきポイントを紹介します。
確定申告を忘れずに行う
アパート経営により、年間20万円以上の所得が発生した場合には、確定申告をしなければなりません。確定申告に慣れていない方は、早めの準備が大切です。
確定申告は、所得のあった翌年の2月16日から3月15日までの間に行います。必要書類の提出には、税務署に直接持ち込む・郵送するといった方法もありますが、e-Taxを利用したオンライン手続きが便利でしょう。
また確定申告時には、経費を正確に計上する必要があります。アパート経営の経費とできるもの・できないものについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
アパート経営の経費で落とせるもの・落とせないものを詳しく解説!判断基準も参考に
さまざまなリスクを想定しておく
アパート経営には、次のようにさまざまなリスクがあります。
(例)
- 空室リスク
- 賃料下落リスク
- 修繕リスク
- 入居者トラブルリスク
これらのリスクを想定しておかないと、場合によっては損失が出てしまうでしょう。例えば「空室リスク」なら、周辺の競合物件とどのように差別化を図るかなど、あらかじめリスクを想定した対策を練っておくことが大切です。
本業に支障が出ないようにする
アパート経営に注力して本業の成績が悪くなる、アパート経営の利害関係が本業に影響をおよぼすなど、アパート経営が原因で本業に支障が出ないように注意が必要です。本来はアパート経営が認められる場合でも、業務に支障をきたして禁止されてしまう可能性があります。
これまでの説明のとおり、管理会社などの第三者の手を借りながら、健全な経営をしていきましょう。
まとめ
サラリーマンがアパート経営をする際は、主に以下の2つの観点から条件をクリアしているかチェックしましょう。
- 経営規模が「5棟10室」の基準を超えるかどうか
- 勤務先が副業を認めているかどうか
副業が法律で禁止されている公務員の場合は、一般的なサラリーマンよりもアパート経営をするための条件が厳しいため注意が必要です。
また、アパート経営はさまざまなリスクへの対策を練ったうえで始め、所得が発生したら確定申告を忘れずに行いましょう。本業に支障が出ないように、第三者の手を借りることも大切です。
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