一般的なアパート経営の利回り(投資額に対する利益を数値化した指標)は、ほかの土地活用方法と比べて決して低くありません。すなわち、アパート経営は儲かる見込みが十分にあるといえるでしょう。
一方で、入居者を維持するのが難しいなどの理由から、「アパート経営は儲からない」と判断されるケースもあるようです。
今回は、アパート経営が「儲からない」とされる理由や、今後のアパート経営の懸念点を紹介します。併せて、アパート経営で利益を出すための対策についても解説するので、アパート経営に不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
アパート経営が「儲からない」とされる理由
アパート経営が「儲からない」と思われてしまう理由には、大きく分けて次の3つが挙げられます。
入居者を維持するのが難しいから
新築アパートなら、最初は入居者が集まりやすいかもしれません。しかし、アパートは経年劣化するため、「新築であること」以外の魅力が乏しいと、時間の経過とともに空室が増える可能性があります。
空室が増えたり、空室期間が長くなったりすれば、家賃収入も減ってしまいます。その結果、入居者を確保するために家賃を下げざるを得なくなり、当初の見込みより「儲からない」状態になるでしょう。
多額の借り入れが発生するから
アパート経営を始める場合、数千万円規模の多額の初期投資が必要になることが多く、ほとんどの方がローンを組んで始めます。
一方で、多額の初期投資をしたからといって、経営が必ずしも成功する保証はありません。経営がうまく行かないと借金だけが残る可能性があることから、「アパート経営は儲からないのでは?」と思ってしまう方もいるのでしょう。
投資を回収するのに時間がかかるから
アパート経営に限らず、賃貸経営は初期投資額が大きいため、黒字化するまでに時間がかかります。一概にはいえませんが、投資回収期間として、少なくとも10~15年以上は見込む必要があるでしょう。
また、アパート経営を続けていくと、メンテナンスなどでまとまった支出が発生したり、予期せぬ支出が発生したりします。このような点も考慮した資金計画を立てていないと、「なかなか利益が出ない=儲からない」という判断につながってしまいます。
今後のアパート経営の懸念点
近年、アパートをはじめとする賃貸用物件の空室率は、全国的に増加傾向にあるといわれています。これは、少子高齢化・人口減少が進んでいることなどが背景にあると考えられるでしょう。どんなに魅力的な物件でも、ターゲット層の人口が減ってしまえば、借り手は見つかりにくくなります。
空き家が目立つ一方で、新築物件も次々と増えているため、今後賃貸経営市場の競争は激化していくかもしれません。都市部へ人口が集中している現状を踏まえると、特に地方でのアパート経営は、これまで以上に対策が必要でしょう。
アパート経営で利益を出すための6つの対策
ここでは、アパート経営で利益を出すために、押さえておくべき6つのポイントを解説します。
条件の良い土地を選ぶ
「使わない土地を有効活用したい」という理由で、アパート経営を検討している方も多いでしょう。しかし、アパート経営においては立地がカギです。
例えば、通勤・通学するターゲットを想定するなら、アパートが駅・バス停から近いことや、会社・学校が近いことがポイントになります。一方、周辺環境を重要視するターゲットを想定するなら、アパート周辺にスーパーや病院、公園などの施設があることや、静かで治安が良いことがポイントになるでしょう。
アパート経営に向いている土地の特徴などについて、さらに詳しくは以下の記事をご覧ください。
「土地あり」から始めるアパート経営、まず確認すべき最重要ポイントと落とし穴とは?
ターゲットに合わせて設計する
「単身層orファミリー層」、「サラリーマンor大学生」、「男性or女性」などターゲットのニーズに合う土地を選んだら、アパートの設計もターゲットを意識して行うことが重要です。間取りや設備、セキュリティ対策といった細かい点にまでこだわることで、競合物件との差別化を図れます。
ただし、ハウスメーカーによっては商品の設計を変更できない可能性があるため、複数の会社に相談するとよいでしょう。
付加価値を付ける
付加価値のあるアパートは、一般的なアパートよりも注目を集めやすいだけでなく、賃料を高く設定しやすいメリットがあります。付加価値のあるアパートの具体例は、次のとおりです。
(例)
- デザイン性に優れたアパート
- ガレージ付きのアパート
- ペット用の設備があり、ペットと暮らせるアパート
- 防音室付きのアパート
- インターネットが無料で使えるアパート など
付加価値を考える際は、地域性や時代のニーズも意識しましょう。
自己資金の割合を増やす
ローンによる借入額が大きいほど、のちのちの返済が負担になり利益が出にくくなります。とはいえ、アパート経営を始める際にかかる費用を、全額自己資金で対応するのは現実的ではありません。
そこで、できるだけ自己資金の割合を増やすことを目指すとよいでしょう。目安として、必要な費用の3割程度を自己資金で用意できてから着手するのが理想です。
併せて、余裕を持った資金計画を立てることも心がけましょう。
戸数を増やす
原則として、アパートの戸数が10戸以上だと、経営が「事業的規模」とみなされます。事業的規模とみなされると、次のようなメリットを受けられ、納税額の軽減につながります。
- 確定申告時に65万円の「青色申告特別控除」を受けられる
- 家族への給与を経費として控除できる
- 回収不能となった賃料を経費に算入できる など
特に、確定申告時の控除に関しては、事業的規模と認められない場合は、青色申告でも10万円しか控除されません。このような点を踏まえ、戸数を増やすことも選択肢の一つです。
適切な管理会社を選ぶ
アパート経営で利益を出すためには、実績やノウハウが豊富な管理会社を選ぶことも大切なポイントです。会社によって対応可能な業務範囲は異なりますが、入居者募集から賃貸借契約手続き、入居者対応まで一貫して任せられる会社がよいでしょう。
特に、入居者募集に強い会社なら、空室が出てもすぐに埋まるようになるため、収入の安定・利益の向上が期待できます。
まとめ
アパート経営は、対策を取らないと入居者を維持しにくく、初期投資額も大きいことから「儲からない」といわれる場合があります。
しかし、冒頭でお伝えしたように、一般的なアパート経営の利回りは、ほかの土地活用方法と比べて低いわけではありません。今回紹介した以下の対策を取り、利益向上を目指しましょう。
- 条件の良い土地を選ぶ
- ターゲットに合わせて設計する
- 付加価値を付ける
- 自己資金の割合を増やす
- 戸数を増やす
- 適切な管理会社を選ぶ
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