「土地あり」から始めるアパート経営、まず確認すべき最重要ポイントと落とし穴とは?
相続した土地や使っていない土地を活用し、アパート経営をできないかと考えている方もいるかと思います。うまく活用できれば毎月の家賃収入につながり、資産を増やせる可能性があります。
「土地あり」の状態であれば、アパート建築のための借入金も少なくてすむため、アパート経営は有利になります。ただし、アパート経営にはリスクもあるため、失敗しないためには事前に注意点を確認しておく必要があります。
そこで、この記事では「土地あり」の状態からアパート経営を始めるときのポイントや注意点、必要な費用などをご紹介します。赤字経営にならないよう、事前に必要な知識を身につけておきましょう。
目次
まずアパート経営できる「土地」かどうかが最重要
使っていない土地でアパート経営を考える場合、まず考えるべきは、そこがアパート経営に向く土地かどうかです。
特に、利用者が住みたいと思う立地かどうかが重要です。
アパート経営に向く土地とは、以下のような土地です。
【アパート経営に向く土地】
- 60坪以上の土地
- 駅や繁華街から徒歩10分圏以内にある土地
- 近隣アパートの空室率が低い
- 将来開発が予定されている土地
これらの条件を備えた土地であれば、アパート経営に向く、賃貸需要のある土地といえるでしょう。これらの条件について、以下に詳しく解説します。
60坪以上の土地
アパート経営を考えるのであれば、土地の広さも重要です。土地が狭ければ部屋数も少なくなり、結果として家賃収入も少なくなってしまうためです。
目安として、60坪以上の広さがあれば、最低限の部屋数を確保できるでしょう。なお、都心から離れたエリアでは駐車場付きのアパートの需要が高まりますが、駐車場付きなら100坪程度は必要となります。
駅や繁華街から徒歩10分圏内にある土地
まず、アパートを建てるうえで立地条件はかかせません。駅や繁華街が近ければ、通勤や買い物に便利なため住みたい人は多くなるでしょう。徒歩10分が距離の目安です。
その他、コンビニやスーパーが近くにある、バス停が近いといった立地条件も住む人にとって重要なポイントとなります。
近隣アパートの空室率が低い
立地条件の次にチェックすべきなのが、近隣アパートの空室率です。いくら駅が近いエリアでも、そもそもの人口が少ない地域だと、エリアニーズが低い可能性があるためです。
近隣アパートに空室が多い場合は、賃貸需要が低いエリアの可能性があるため、アパート建築は慎重に考えたほうがいいでしょう。
将来開発が予定されている土地
新しい駅や商業施設が建設予定のエリアや、再開発予定の地域であれば、近隣の土地はアパート経営に向いているといえます。将来人気のエリアになれば、住みたい人も多くなるためです。
一方、過疎化が進行しているようなエリアの土地利用は慎重に考えたほうがいいでしょう。
土地ありのアパート経営が有利だと言える3つの理由
土地ありの状態からのアパート経営は、コスト面から考えてかなり有利といえます。具体的な理由としては、以下3つがあげられます。
【土地ありのアパート経営が有利な理由】
- 土地の購入資金が必要なく高利回りが期待できる
- 借入総額が抑えられリスクが減らせる
- 建物費にコストを割けるため建物の質を上げられる
それぞれ、下記に理由を説明します。
土地の購入資金が必要なく高利回りが期待できる
土地ありの状態からアパート経営を始める場合、土地の購入費用が少ないことは大きなメリットです。土地代の投資額が不要になるため、初期コストを抑えて高利回りが期待できます。
ローンを組む場合には土地代がないぶん、借り入れ額を大きく減らせて返済も早く終わるため、アパート経営による安定収入を早期に実現できるのです。
また土地の購入時には土地代のほか仲介手数料や印紙税がかかり、いくつもの手続きが必要となりますが、土地ありならその手間も不要です。
借入総額が抑えられ、リスクが減らせる
土地ありからのアパート経営では、借り入れ時のリスクも大きく減らせます。
借り入れによるアパート建築では、一般的に6,000万円以上の資金が必要です。そのため、多くの方は銀行からの借り入れを必要とします。
このとき、土地ありの場合は借り入れ金額も少なくなるため、融資を受けやすく、また返済も楽になります。借金のリスクを減らしてスタートできるのは、不動産投資において大きなメリットといえるでしょう。
建物費にコストを割けるため、建物の質を上げられる
土地ありのアパート経営では、土地代がかからないぶん、建物の質にコストを割くことができます。そうすることで、結果的に入居者の確保につながり安定した経営が見込めます。
例えば、デザイナーを入れて内装にこだわったり、ネット環境を整備したりすることで、周囲のアパートと差別化をはかることができ、より顧客を集めやすいアパートを作ることができます。
土地ありからのアパート経営に必要な費用とめ
次に、土地ありでアパート経営を開始するために必要になる費用をご紹介します。アパート建設でかかる主な費用は、以下の3つです。
【土地ありからアパート経営をする場合にかかる費用】
- ローンの頭金
- 建築以外でかかる諸費用
- 経営開始後に毎年支払う税金
これら3つの金額について、以下に詳しくご紹介します。
ローンの頭金
アパート建設のための資金をローンで組む場合には、頭金(自己資金)を用意する必要があります。アパート建設ローンの頭金は、建築総額の1~2割が目安となります。
例えば、6,000万円のアパート建築費では1,200万円が用意する自己資金の目安です。
建築以外でかかる諸費用
アパートの建築では、建物の建築費用以外にもいくつか諸費用が発生します。主な諸費用は、以下となります。
【アパート建築でかかる諸費用】
- アパート建築にかかわる税金(不動産取得税・登録免許税・印紙税など)
- 登記などを依頼する際の司法書士への報酬
- 建物にかける火災保険料
- 融資の際にかかる事務手数料
これら諸費用の目安は、建築費の5%程度となります。建築費6,000万円のアパートであれば、300万円程度です。ローンの頭金とあわせて自己資金から捻出できるかどうかを事前に確認しておきましょう。
経営開始後に毎年支払う税金
経営開始後は、固定資産税や都市計画税といった税金を毎年支払う必要があります。また、家賃収入から諸経費を差し引いた利益には、確定申告により所得税がかかります。
所得税は累進課税で、利益額により5%~45%の範囲で課税されます。
土地ありからアパート経営をする注意点
土地ありからのアパート経営は有利ではありますが、将来的に安定した収益を得ていくためには計画性が大切になります。
失敗を避けるため、以下の注意点は必ず確認しておきましょう。
【アパート経営を始める前の注意点3つ】
- 必ず複数社の提案を受けて検討すること
- サブリース契約を結ぶ際のリスクを理解すること
- 長期的な事業計画を立てること
それぞれの注意点に
ついて、以下に詳しく解説します。
必ず複数社の提案を受けて検討すること
建築会社を決める際は、必ず複数社の提案を受けてから比較検討しましょう。建築費用は建築会社によって大きく異なるため、1社のみの提案で決めてしまうのはおすすめできません。
比較検討しなければ、相場よりも高い費用がかかる可能性もあるため、必ず複数社を比較してから建築会社を決めるようにしましょう。
サブリース契約を結ぶ際のリスクを理解すること
サブリースとは、入居者の募集や管理をサブリース会社に委託でき、空室があっても満室時の80~90%を家賃保証としてオーナーに支払うというものです。
管理の手間もなくメリットが大きいように感じますが、空室が続くと家賃の減額請求や途中解約を申し出されるケースも多く、結果的に赤字になってしまう事例もあります。
サブリース契約を検討する場合は、契約内容をよく確認し、必ずしも長期的な家賃保証があるものではないことを事前に理解しておきましょう。
長期的な事業計画を立てること
アパート経営では、長期的な事業計画が欠かせません。なぜなら、建物は年が経つごとに劣化しますし、将来的にエリア状況や家賃相場も変化する可能性があるためです。
リフォームや修繕費など突発的な支出や、空室や滞納者の発生などのリスクも事前に考えておく必要があります。
そうしたリスクを踏まえ、建築にはいくらかけるべきか、回収には何年かかるかなど、長期的な目線で事業計画を立てておくといいでしょう。
まとめ
土地ありからのアパート経営は、土地購入のリスクがないぶん早期の安定収入や高利回りが期待できます。ただし、失敗を避けるためにはエリアニーズやリスクを踏まえて長期的な目線の事業計画を立てる必要があります。
建築会社や管理会社も安易に決めず、契約の際はよく比較検討することが大切です。
初めてのアパート経営では不明な点も多いかと思いますので、まずは取引実績が豊富な一誠商事までお気軽にご相談ください。
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記事の監修者:一誠商事編集部
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