マイホームの売却方法のひとつに「ハウス・リースバック」という方法があるのをご存じですか?ハウス・リースバックを利用すれば、マイホーム売却後の住まいを心配することなく、まとまった資金を調達したり、相続の準備ができます。
そこで今回は、ハウス・リースバックの仕組みや、利用時にどのようなメリットや注意点があるのか紹介します。
目次
ハウス・リースバックとは?通常の売却との違いは?
さまざまな事情で、住み慣れたマイホームを手放さなければならないことがありますが、マイホームを売却すると、新たな住まいを探さなければなりません。
なかには、慣れない場所で新たな生活を始めることに、プレッシャーを感じてしまう人もいることでしょう。
そのような悩みを解決してくれるのが「ハウス・リースバック」です。
ハウス・リースバックはマイホームを売却する方法のひとつで、売却後は買主の不動産会社と賃貸契約を締結して、そのまま住み続けることができます。
また、ハウス・リースバックのなかには、「買い戻し特約(※1)」をつけることができるプランもあり、「生活が安定したら、再び自分のものにしたい」といった要望をかなえることができます。
(※1)買い戻し特約とは、不動産の売買契約の際につけることができる特約です。決められた期間内(最長10年)であれば、売主が代金や契約に要した費用を買主に返還することで、売却した不動産を取り戻すことができます。
ハウス・リースバックと通常の売買との共通点と相違点
ハウス・リースバック | 通常の売却 | |
---|---|---|
売買代金 | 売却代金を受け取れる | 売却代金を受け取れる |
売却代金の使い道 | 自由 | 自由 |
家の所有権 | 買主に移る | 買主に移る |
引っ越し | 不要 | 必要 |
新たな住まい | 買主と賃貸契約を締結し、そのまま住み続ける | 別の場所で賃貸アパート・マンションなどを借りる |
買い戻し | 買い戻し特約をつければ、買い戻しも可能 | 転売されたりすると、買い戻しはかなり難しい |
ハウス・リースバックを利用するメリットは?
ハウス・リースバックの最大の特徴は、マイホームの売却後も同じ家にそのまま住み続けることができる点です。
さらに、次のようなメリットがあるため、マイホームの売却を考えている人にとっては魅力的な選択肢になります。
メリット1:まとまったお金を一括で受け取れる
ハウス・リースバックを活用すると、売却時にまとまったお金を受け取ることができます。
受け取ったお金の使い道は自由で、「事業のための運転資金に使いたい」「老後のための生活資金にしたい」「相続に備えてお金を手元に置いておきたい」といった要望をかなえることができます。
また、住宅ローンの返済が厳しいと感じている人は、売却代金と相殺して、住宅ローンを完済(※2)させることもできます。
(※2)住宅ローンの残債が売却価格より多い場合など、状況によってはハウス・リースバックが利用できない場合があります。
メリット2:引っ越しをしなくてもいい
マイホームを売却した後は、新たな住まいを探さなければなりませんが、ハウス・リースバックはそのまま住み続けることができるため、引っ越しをする必要がありません。
メリット3:固定資産税や修繕費が不要
マイホームを持ち続けていると、固定資産税や都市計画税が毎年課税されます。
また、外壁の塗装といったメンテナンス費用や、設備・建物の劣化や故障を修繕するための費用は大きな負担になります。
しかし、ハウス・リースバックは家の所有権が買主に移っているため、固定資産税や都市計画税などの税金、メンテナンス・修繕の費用を支払う必要がなくなります。
メリット4:相続の対策になる
不動産相続では、「相続人が複数いるため、現金のほうが分割しやすい」という場合があります。
また、相続人がいない人は、「元気なうちに現金化したいけど、住まいを確保するのが難しい」といったケースもあります。
一方、ハウス・リースバックを利用すれば、相続が発生する前に自宅を現金化できるため、先述のような悩みを解決できます。
メリット5:近所の人に知られることがない
自宅を売却すると、何かと近所のうわさになります。
しかし、ハウス・リースバックは売却後もそのまま住み続けるため、周囲に知られることはありません。
さらに、不動産会社も秘密は厳守してくれるため安心です。
メリット6:将来、買い戻すことができる
プランによっては「買い戻し特約」をつけることができます。
通常の売却では、いったん売却すると買い戻すのは困難ですが、買い戻し特約があれば、生活が落ち着いたタイミングで買い戻すことができます。
ハウス・リースバックが向いているのはどんな人?
ハウス・リースバックは、まとまったお金を必要としている人や、相続の前にマイホームを現金化したいと考えている人におすすめのサービスです。
自宅を活用した資金調達方法には、不動産を担保にしてお金を借りる「不動産担保ローン」や、契約者の死亡時に自宅を売却して借入額を返済する「リバースモーゲージローン(※3)」などもあります。
いずれの場合もまとまったお金を受け取ることができますが、自宅を担保にしてお金を借りるサービスのため、固定資産税や都市計画税は払い続けなければなりません。
自宅のメンテナンスや修繕の費用も同様で、こうした負担やマイホームの管理が煩わしいと感じる人は、ハウス・リースバックのほうが適しているといえるでしょう。
(※3)リバースモーゲージローンは、自宅を担保にお金を借りる方法です。毎月の支払いは利息のみで、契約者の死亡時に不動産を売却し、借入を一括で返済します。
ハウス・リースバックを利用する際の注意点は?
ハウス・リースバックを利用する際には、次のような注意点があります。
1.月々の家賃が発生する
ハウス・リースバックは、買主の不動産会社と賃貸契約を結ぶため、売却後は家賃の支払いが必要になります。
2.勝手にリフォームできない
所有権が自分にないため、家主(不動産会社)の了承がないとリフォームや修繕ができません。
3.ハウス・リースバックを利用できない場合がある
住宅ローンの残債が多いケースや、建物の程度・立地などの状況によっては、ハウス・リースバックを利用できないことがあります。
まとめ
ハウス・リースバックは、自宅を活用した便利な資金調達法です。
マイホームの売却を検討している方は、ハウス・リースバックも選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
不明な点も多いかと思いますので、ますは取引実績が豊富な一誠商事までお気軽にご相談ください。
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記事の監修者:一誠商事編集部
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