空き家の売却でかかる税金の種類とは?活用できる3つの特例や注意点も

空き家の売却でかかる税金の種類とは?活用できる3つの特例や注意点も

空き家を売却するうえで、どのような税金が課されるのか気になる方も多いのではないでしょうか。譲渡所得税や登録免許税の詳細を知ることで、具体的な課税額を把握しやすくなります。
今回は、空き家売却でかかる税金の種類を紹介したうえで、活用できる3つの特例や、特別控除を受ける際の注意点についても解説します。これから空き家の売却を検討している方は、ぜひご覧ください。
なお、空き家を売る具体的な方法や、売却で発生する費用などについて、以下の記事も参考にしてみてはいかがでしょうか。

空き家を売る4つの方法を紹介!売却で発生する費用・税金や注意したいポイントも

空き家の売却でかかる税金の種類

空き家の売却でかかる税金の種類
まずは、空き家売却でかかる税金の主な種類について見ていきましょう。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産の売却で利益が発生した際に課される税金のことです。課税額を把握するためには、以下の計算式で譲渡所得を算出します。

【譲渡所得の計算式】
売却金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得

上記の式をもとに算出した譲渡所得に対して、所得税や住民税などが課されます。なお、不動産の所有期間に応じて、課される税率が変わることに留意が必要です。

所有期間が5年以下の場合と、所有期間が5年超の場合の税率を以下に示します。

所得税率 住民税率 復興特別所得税 合計
所有期間が5年以下の場合
(短期譲渡所得)
30% 9% 0.63% 39.63%
所有期間が5年超の場合
(長期譲渡所得)
15% 5% 0.315% 20.315%

復興特別所得税は、東日本大震災の復興に必要な財源を確保するため、2013年1月1日~2037年12月31日まで、通常の所得税に上乗せされる特別税です。

登録免許税

登録免許税とは、不動産の所有権の登記を行う際に課される税金です。空き家を売る場合は所有権移転登記、もしくは抵当権抹消登記の際に納付が必要となります。

建物を売買する際の所有権移転登記では、不動産の価額に対して、2.0%の税率が課されます。ただし、2027年3月31日までの間に取得した建物である場合は、軽減税率が適用されるため税率は0.3%です。
また、抵当権抹消登記では、不動産1つ当たり1,000円の登録免許税がかかる点にも留意しておきましょう。

固定資産税

固定資産税とは、1月1日時点で土地や家屋を所有している人に課される地方税を指します。課税標準額に対し、原則1.4%の税率をかけて税額を算出します。ただし、必要に応じて市町村は異なる税率を定めることが可能です。

また、固定資産税等の住宅用地特例といった減額措置を適用して、税金負担を減らせるケースもあります。

なお、空き家の管理を怠ると、固定資産税の負担が増えるおそれがあるため注意しましょう。詳細は、以下の記事をご参照ください。

空き家を放っておくと、固定資産税が6倍に増えるの?

印紙税

印紙税は、課税文書に対して課される税金です。空き家の売却では、不動産の売買契約書が課税文書に該当します。

契約金額ごとの税率は以下のとおりです。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1千円 500円
100万円超500万円以下 2千円 1千円
500万円超1千万円以下 1万円 5千円
1千万円超5千万円以下 2万円 1万円
5千万円超1億円以下 6万円 3万円
1億円超5億円以下 10万円 6万円
5億円超10億円以下 20万円 16万円
10億円超50億円以下 40万円 32万円
50億円超 60万円 48万円

参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」

上表のとおり、本則税率とは別に、2027年3月31日までに作成される売買契約書に対しては軽減税率が適用されます。

税金対策|空き家の売却で活用できる特例3つ

続いて、空き家の売却で活用できる税金の控除特例を3つ解説します。自身が所有する空き家で適用できる特例がないか、ぜひチェックしてください。

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

相続した空き家を売る際、一定の要件にあてはまれば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。その際、相続を開始した日から3年が経過した年の12月31日までに売ることが必要です。また、相続人の数が3人以上の場合は、最大2,000万円の控除を受けられます。

1981年5月31日以前に建てられた家屋が対象であることや、譲渡した日から翌年2月15日までに取り壊した、もしくは耐震改修の工事を行ったことなどが適用条件です。

なお、この特例の適用期間は2027年12月31日までとなっています。

マイホームを売ったときの特例

以前に居住していた空き家を売却する際は、譲渡所得から最大3,000万円が控除される「マイホームを売ったときの特例」を適用できます。

住まなくなった日から、3年が経過した年の12月31日までに売却する住宅であることが適用条件です。空き家になってからは、どのような用途で使っていても問題ありません。

また、ほかの特例の適用を受けていないことや、親子・夫婦などの親しい間柄の人へ売っていないことなどの要件を満たす必要があります。

10年超所有軽減税率の特例

10年以上所有していたマイホームを売る際は、譲渡所得に対する軽減税率の特例を適用できる可能性があります。空き家の場合、住宅に住まなくなった日から、3年が経過した年の12月31日までに売らなければなりません。

また、売った年の前年、前々年にこの特例の適用を受けていないことや、親子・夫婦間で売買していないことなどの条件も満たす必要があります。

10年超所有軽減税率の特例における軽減税率の表は以下のとおりです。

課税長期譲渡所得金額(=A) 税額
6,000万円以下 A×10%
6,000万円超 (A-6,000万円)×15%+600万円

参考:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

空き家の売却で税金の特別控除を受ける際の注意点

空き家の売却で税金の特別控除を受ける際の注意点

ここからは、空き家売却で税金の特別控除を受ける際の注意点を確認していきましょう。

確定申告が必須となる

譲渡所得などの特別控除を受けるには、毎年2月16日から3月15日までの間に確定申告の手続きで申請する必要があります。特例の適用を受ける場合は、申告書に書類を添付しなければなりません。
例えば、前述した譲渡所得の3,000万円特別控除の適用を受ける場合、譲渡所得の内訳書や登記事項証明書などの書類を準備したうえで提出することが不可欠です。
不動産の売却で確定申告が必要なケースについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
不動産売却時の確定申告が必要な場合とは?

特例の要件を満たす必要がある

特例ごとに対象物件の基準や適用条件などが細かく規定されているため、売却する空き家が対象であるかをしっかりと確認することが大切です。
とはいえ、細かな要件を一つひとつ確認するには大きな手間がかかります。不動産会社に問い合わせれば、税金や相続、売却査定に関する相談が可能なため、オーナーの負担軽減につながるでしょう。

まとめ

空き家を売却する際、税金の控除特例を適用できる可能性があります。ただし、確定申告が必須であるほか、特例ごとに設けられた要件を満たす必要がある点に注意しましょう。
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記事の監修者:一誠商事編集部

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