アパート経営の家賃保証とは?仕組みやサブリースとの違い、会社の選び方

アパート経営を始める際には、家賃滞納などのリスクへの対策をしておかなければなりません。そこで活用したいのが、「家賃保証」の仕組みです。
この記事では、アパート経営の家賃保証の仕組みや種類、サブリースとの違いを解説したうえで、家賃保証会社や不動産管理会社(サブリース会社)の選び方を紹介します。
なお、アパート経営の基礎知識として、以下の記事も併せてぜひ参考にしてください。
アパート経営の始め方|4つの方法や具体的な流れ、成功させるポイントも解説
目次
アパート経営の「家賃保証」とは?
アパート経営の家賃保証とは、アパートの入居者が家賃を滞納した場合に、家賃保証会社が家賃を立て替えてくれるサービスを指します。家賃保証会社が、入居者の連帯保証人のような位置付けになるものです。
家賃保証を実現させるため、オーナーはアパートへの入居を希望する方に、あらかじめ家賃保証会社と契約することを入居条件として提示します。契約の際には、家賃保証会社が入居者に対して審査を実施することになるでしょう。
そして入居者は、家賃保証会社に対して保証料を支払います。保証料の相場は、初回保証料が家賃0.5~1ヵ月分、1年ごとの更新手数料が1万円程度です。
このような仕組みにより、アパートのオーナーは家賃滞納リスクを回避でき、家賃滞納が発生した際の督促業務の負担もなくなります。入居者にとっても、保証料の支払いが生じるとはいえ、連帯保証人を準備しなくても物件を借りられる点はメリットになるでしょう。
家賃滞納リスクなどアパート経営におけるリスクについては、下記の記事で解説しています。
アパート経営の失敗につながるリスクには何がある?具体例と回避方法を解説
アパート経営の家賃保証の種類
アパート経営の家賃保証には、大きく分けて2つの種類があります。ここでは、「一般保証型」と「支払委託型」の仕組みを紹介します。
一般保証型
一般保証型の家賃保証では、家賃の滞納が発生した場合に、オーナーが請求することで家賃保証会社が立て替え払いをします。家賃保証会社は、オーナーへ滞納分の家賃を支払ったのち、入居者へ家賃を督促するといった流れです。
なお、滞納が発生していない通常の家賃の支払いは、入居者とオーナーとの間で直接行われます。
支払委託型
支払委託型の家賃保証では、家賃の滞納の有無に関係なく、家賃の集金・支払いを家賃保証会社が担います。家賃保証会社は、入居者から毎月の家賃を収受し、滞納分は立て替えたうえで、家賃を一括でオーナーに支払います。
オーナーは、家賃保証会社に立て替えの請求をする必要がなくなるため、業務を効率化できるでしょう。
アパート経営の家賃保証とサブリースの違い
「サブリース」方式でのアパート経営においても、「家賃保証」という言葉が用いられることがあります。ここまでに紹介した家賃保証の仕組みとサブリースとでは、契約を結ぶ相手や指す内容などが異なります。
ここでは、家賃保証とサブリースの違いを見てみましょう。
契約を結ぶ相手の違い
そもそもサブリースとは、不動産管理会社(サブリース会社)がオーナーからアパートを一括で借り上げ、入居者に転貸(又貸し)するという管理形態のことです。オーナーと不動産管理会社は、事前にアパートの賃貸借契約を結びます。
一方で、通常の家賃保証では、オーナーは家賃保証会社ではなく入居者と直接賃貸借契約を結ぶ点が、サブリースとの違いです。さらに、家賃保証会社はオーナーと入居者それぞれに対し、家賃保証に関する契約を結びます。
「家賃保証」が指す内容の違い
一般的に、家賃保証とは「家賃の滞納が発生しても家賃を保証する」ことを意味します。
これに対してサブリースの家賃保証は、主に「空室が発生しても家賃を保証する」という意味合いです。契約期間内は、空室の有無に関係なく、不動産管理会社が決まった額の家賃をオーナーに支払います。
オーナーにとって、毎月の収入が空室数や空室期間に左右されない点がサブリースのメリットです。ただし、保証される家賃額は永久的に変わらないわけではなく、契約更新時の見直しによって値下げされる可能性もあります。
物件の運営方法の違い
サブリース方式を選択した場合、オーナーが得られる家賃収入は本来の8~9割程度になり、残りは手数料として不動産管理会社の取り分になります。
その代わり、家賃の設定や入居者の募集、契約手続き、クレーム対応などはすべて不動産管理会社に任せることが可能です。言い換えれば、不動産管理会社が運営を主導します。
一方で、通常の家賃保証においては、家賃保証会社がかかわるとはいえ、運営の決定権はオーナーにあります。アパート経営に積極的にかかわりたいか、手間を省きたいかによって、どちらが向いているかを考えるとよいでしょう。
アパート経営の家賃保証会社や不動産管理会社の選び方
最後に、家賃保証会社や不動産管理会社(サブリース会社)を選ぶ際の3つのポイントを解説します。
経営状態の安定性
契約は長期となることも少なくないため、家賃保証会社や不動産管理会社は、経営状態が安定していることが重要です。特に、支払委託型の家賃保証の場合は、家賃保証会社が倒産すると、入居者が事前に支払った家賃がオーナーに渡らないリスクがあります。
また、不動産管理会社の場合も、倒産によってサブリースの家賃が振り込まれなくなるかもしれません。過去には、サブリース会社の倒産によって家賃が振り込まれなくなり、オーナーがローンの返済に困窮するという「かぼちゃの馬車事件」も発生しています。
保証料や家賃設定の妥当性
入居者が家賃保証会社に支払う保証料が高すぎると、負担が増えることを懸念して入居者が集まりにくくなる恐れがあります。
また、サブリースではオーナー自身で家賃の金額を決められないため、適切な家賃を設定してくれる会社選びが欠かせません。保証料や家賃設定は、アパート経営の収益性に影響する重要なポイントです。
解約に関する規定
家賃保証契約の解約は、オーナーが家賃保証会社に申し入れるのが一般的で、入居者からの希望で解約することはできません。入居者が連帯保証人を新たに設定したいとなった時のために、オーナーがすべき手続きを確認しておきましょう。
対してサブリースの場合は、オーナー側からの解約が難しいケースが多く、解約できても違約金を請求される可能性がある点に注意が必要です。
まとめ
アパートの入居者が家賃を滞納した場合に、家賃保証会社が家賃を立て替えてくれる家賃保証のサービスは、家賃滞納リスクを回避できるという大きなメリットがあります。
また、契約を結ぶ相手や「家賃保証」が指す内容などに違いはあるものの、サブリース方式でのアパート経営も一つの選択肢となるでしょう。入居者の募集や契約手続き、クレーム対応などを不動産管理会社(サブリース会社)に任せられる点が魅力です。
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また、保証される家賃額の値下げは、あくまで最終手段としての提案となるため、ご安心ください。一誠商事のサブリース(一括借上げ)については、以下のページで詳しく紹介しています。
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記事の監修者:一誠商事編集部
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