ルーム経営で土地活用!メリット・デメリットと始め方

ルーム経営で土地活用!メリット・デメリットと始め方

土地活用の選択肢として、トランクルーム経営を検討している方もいるのではないでしょうか。これまで活用できていなかった土地でも、トランクルームを建てれば新たな収入源となる可能性があります。ただし、経営がどの程度うまくいくかは状況や方法によって変わるので注意が必要です。

そこでこの記事では、トランクルーム経営の種類と方法、メリット・デメリットを説明します。土地を有効活用したいとお考えの方は、ぜひ本記事をお役立てください。

トランクルーム経営とは

簡単にいえば、トランクルーム経営とは「倉庫を貸して、利用者から賃料を得る」ことです。まずは、トランクルーム経営の概要を説明します。

「コンテナ型」と「ルーム型」の2種類がある

トランクルームは、倉庫のつくりによって以下2種類に大別されます。

コンテナ型:屋外にコンテナを設置して倉庫とする
ルーム型:建物内の各部屋を倉庫とする

コンテナ型は郊外によく見られるタイプで、更地に設置したコンテナを収納スペースとして貸し出す形が一般的です。

一方のルーム型は新築物件である必要はなく、既存の建物を部分的に活用するケースが多く見られます。例えば、1階部分を改修して倉庫にしたマンションは少なくありません。

「レンタル収納」とは異なる

トランクルーム経営は倉庫で顧客の物品を預かるサービスであることから、「寄託契約(物の保管を事業者に委託する契約)」に基づく形が一般的です。経営者には顧客の物品を適切に保管する義務があり、防犯対策などが求められます。

一方、トランクルーム経営について「収納スペースを貸し出して賃料をもらうだけ」というイメージを抱いていた方もいるかもしれません。物を置く「場所」のみを貸すサービスは「レンタル収納」と呼ばれ、利用に際しては賃貸物件と同様「賃貸借契約」を交わします。レンタル収納では、物品の保管は経営者の義務ではなく、利用者の自己責任です。

どちらのビジネススタイルを選ぶのがよいかは一概にはいえませんが、経営者が負うべき責任は変わるという点を覚えておきましょう。

トランクルーム経営の方法

トランクルーム経営の方法は、自分が運営者になるか、オーナーとして運営を任せるかの2種類に大別されます。

ここでは、トランクルーム経営の2つの方法の特徴について説明します。

自分で運営する

トランクルームを自分で運営するには、コンテナや部屋の設備を整えて、倉庫として貸し出せる状態にする必要があります。また、自ら利用者を募って直接契約するなど、空室を減らして収益を安定させる努力も求められるでしょう。

これらの業務を自分だけで行うのは手間がかかるため、実際には外部の専門業者に委託するケースが多く見られます。一部のみではなく、すべての業務を専門業者に任せることも可能です。

ただし、すべての業務を専門業者に委託した場合でも、経営主体が自分であることに変わりません。そのため、空室のリスクについては自らが負う必要があります。

専門の業者に運営を任せる

トランクルームを建てたうえで専門業者に借り上げてもらう「リースバック方式」と呼ばれる方法もあります。リースバック方式では自分がトランクルームのオーナーとなりながらも、運営は専門業者に全面的に任せることが可能です。最初にトランクルームを建築する必要はありますが、空室リスクに左右されることなく、少ない手間で安定した収益を上げられます。

トランクルーム経営を始めるにあたり、初期費用や労力をかけたくない場合は「事業用定期借地方式」が適しています。事業用定期借地方式は、土地をトランクルーム業者に貸して地代を得る方法です。オーナーとして提供するのは土地だけであり、最初にトランクルームを建築する必要はありません。

トランクルーム経営のメリット

トランクルーム経営のメリット
ここでは、有効活用できていない土地でトランクルームを経営するメリットを説明します。

手間とコストを抑えて土地活用ができる

土地活用といえば、まず思い付くのはマンションやアパートなどの賃貸経営ではないでしょうか。しかし賃貸経営を始めるにあたっては、駅からの距離や日当たりなども考慮しなければなりません。

トランクルームであれば、あまり住宅向きではない土地でも活用できるうえ、管理の手間とコストを抑えやすいメリットがあります。メンテナンスが必要な空調・水道設備が賃貸物件よりも少なく、退居時のクロス交換なども不要です。

また、トランクルームは物品を預けるためのものであり、人が住むわけではありません。その分、利用者間のトラブルも起こりにくいでしょう。

市場規模の拡大が予想される

トランクルームは、成長市場の一つです。2021年の調査によるとトランクルームの市場規模は過去10年で倍増しており、店舗数ではファミリーレストランを上回りました。

トランクルームが数を増やしている背景には、住宅の狭小化や、テレワークの普及による巣ごもり生活があるようです。「もっと収納スペースが欲しい」と感じる人は多いため、「コンテナ型」「ルーム型」ともに今後もニーズの増加が見込まれます。

出典:2021トランクルーム市場、過去10年で倍増の670億円へと拡大(PR TIMES)

トランクルーム経営のデメリット

所有している土地でトランクルーム経営を始めたとしても、確実に成功するとは限りません。トランクルーム経営を行う際には、メリットだけでなくデメリットも踏まえたうえで慎重に検討することが大切です。

ここでは、トランクルーム経営の2つのデメリットを解説します。

トランクルームに適さない土地もある

トランクルーム経営は賃貸経営向きではない土地でも行えるメリットがある一方で、不向きな土地もあります。

例えば、近隣に集合住宅が少ない場所では、「荷物を預けたい」というニーズは期待しにくいでしょう。また、間口が狭いためにコンテナを運び込めない土地もあります。

用途地域の区分によっては、そもそもトランクルームの建築確認申請が通らないかもしれません。「第一種低層住居専用地域」などに指定されたエリアではトランクルームの建設が禁じられていたり、規模に制限が設けられていたりするためです。

こうしたデメリットを避けるには、トランクルームとして活用できる土地かどうかの下調べが重要だといえるでしょう。

セキュリティへの配慮が必要になる

トランクルーム経営には、災害や盗難への対策が求められます。特に、賃貸借契約(=レンタル収納)ではなく寄託契約に基づいてトランクルームを運営するのであれば、経営者は物品の保管・保全について責任を負わなければなりません。
また、そもそも大切な荷物を預けるのに不安を感じるようなトランクルームでは、利用者は増えないでしょう。セキュリティへの配慮は、トランクルーム経営に欠かせない要素だといえます。

トランクルーム経営の初期費用

トランクルーム経営の初期費用
トランクルーム経営を始めるためにどの程度の初期費用が必要かは、経営方法や物件の状況によって異なります。

更地にコンテナを設置する場合は、基礎工事やコンテナの購入・設置費用として300~500万円ほどかかるケースが多いようです。部屋を倉庫とする場合は、既存の建物を改修するか新築するかによって、かかる費用も変わるでしょう。

なお、トランクルーム業者に土地を貸して運営を任せる「事業用定期借地方式」であれば、初期費用の負担はありません。

土地活用としてトランクルーム経営を始めるには

トランクルーム経営で収益を上げるためには、活用したい物件の立地や状況を踏まえて、適切な方法を選ぶことが大切です。ただし土地活用において、トランクルーム経営はあくまでも選択肢の一つに過ぎません。

例えば、土地活用には駐車場経営やコインランドリー経営、太陽光発電といった方法もあります。たとえトランクルームに不向きな土地だったとしても、ほかの方法で活用することは可能です。地域のニーズをよく知る不動産会社に相談すれば、より有効な活用方法を提案してくれるでしょう。

土地活用のアイデアについては、下記の記事も併せて参考にしてください。

空いている土地で収入アップ!土地活用アイデア6選と成功させるポイント

まとめ

トランクルーム経営により、空いている土地を有効活用できる可能性があります。トランクルームには「コンテナ型」と「ルーム型」があり、運営を委託して収益を得ることも可能です。

ただし、土地によってはトランクルーム以外の活用方法が適しているケースもあるかもしれません。土地活用を成功させたいのなら、あなたが所有している土地の条件に合った最適な方法を選択することが大切です。

一誠商事では、地域密着の不動産会社として、不動産の有効活用に関するさまざまなご提案を行っています。最適な土地活用の方法についてご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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記事の監修者:一誠商事編集部

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