アパートローン(不動産投資ローン)とは、事業目的でアパートなどを購入・建築する際に借りられるローンのことです。アパートローンの金利は、1%変動するだけでもアパート経営の収支に大きな影響を与えます。そのため、アパート経営を成功させたいのなら、各金融機関が提供しているアパートローンの金利を把握しておくことが大切です。
そこでこの記事では、アパートローンの金利に関する基礎知識を解説したうえで、金融機関ごとの金利相場や特徴を紹介します。アパートローンを低金利で利用するコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
なお、アパートローンの審査基準や融資までの流れなどについては、以下の記事をご覧ください。
アパートローンとは?審査基準や利用する際の注意点をまとめて解説
目次
アパートローン(不動産投資ローン)の金利は2タイプ
アパートローンの金利には大きく分けて「変動金利」と「固定金利」の2つのタイプがあり、どちらの金利で借り入れできるかは金融機関によって異なります。
ここでは、変動金利と固定金利の特徴を解説します。
変動金利
アパートローンは、変動金利での借り入れになることが多い傾向にあります。
変動金利は「短期プライムレート」をもとに半年に一度金利が見直される仕組みで、それにともない返済額も変動します。プライムレートは、大手銀行などから優良企業が融資を受ける際に最も優遇される金利です。
変動金利には金利の上昇で総返済額が増えるリスクがあるものの、アパートローンの契約時点では固定金利よりも金利が低く設定されている点が特徴です。将来的に金利が上昇しなかった場合は、総返済額を抑えられるでしょう。
一方で、金利の上昇により総返済額が増えた場合は、返済が困難になるリスクがあります。
固定金利
固定金利はアパートローン完済までの全期間または一定期間、金利が変動しない仕組みです。5年や10年などの一定期間だけ金利が変動しないタイプを「当初固定金利」と呼ぶこともあります。当初固定金利のタイプでは、固定期間終了後に変動金利へ移行します。
固定期間中は金利の変動がないことから、長期的な返済計画を立ててアパートローンを契約できる点がメリットです。
ただし、変動金利と比べて金利が高く設定されているため、金利の変動状況によっては変動金利よりも返済額の負担が大きくなるでしょう。固定金利では、金利が下落してもその恩恵を受けられないためです。
アパートローンと住宅ローンの金利の違いとは
アパートの購入・建築時には、一般的な住宅ローンは利用できません。
住宅ローンは、自分が住むための家を購入・建築する際に借りられるローンを指します。アパートローンを含めた他種のローンと比べて、基本的には低金利である点が特徴です。
一方のアパートローンは、住宅ローンよりも金利が高めに設定されているうえ、借入期間も短い傾向にあります。所得税の減税など住宅ローンのような税制上の優遇措置もない点に注意しましょう。
アパートローンの金利を比較!相場一覧
アパートローンの金利は、以下の表のとおり、金融機関の種類によって相場が異なります。
金融機関 | 金利相場 |
---|---|
都市銀行(メガバンク) | 1.0~2.0%程度 | 地方銀行・信用金庫・信用組合 | 1.5~3.0%程度 |
ネット銀行・ノンバンク | 2.0~4.5%程度 |
日本政策金融公庫 | 1.1~2.8%程度 |
ここでは、金融機関ごとの金利相場や特徴を解説します。
都市銀行(メガバンク)
全国に展開している大手都市銀行(メガバンク)は、比較的低金利で融資を受けられるのが特徴です。金利相場は、1.0~2.0%程度が目安となります。
ただし、融資条件が良い分、アパートローンの審査は厳しい傾向です。不動産投資初心者の場合は実績を提示できず事業計画の実現性を証明しにくいため、借り入れのハードルは高いといえます。
地方銀行・信用金庫・信用組合
地域密着型の地方銀行や、営業エリアが限定される信用金庫・信用組合も、アパートローンの金利は比較的低い傾向にあります。金利相場は金融機関による差が大きいものの、目安としては1.5~3.0%程度です。
アパートローンを利用するためには、契約者の居住地や不動産の所在地が、金融機関ごとの対象エリアに合致する必要があります。
都市銀行に比べて柔軟な対応をしてもらえる可能性があり、初めての不動産投資で利用するのに向いているかもしれません。
ネット銀行・ノンバンク
ネット銀行は実店舗を持たない銀行、ノンバンクは消費者金融やクレジットカード会社など融資業務に特化した金融機関を指します。金利相場は、2.0~4.5%程度です。
ネット銀行には店舗に足を運ばなくてもよい、ノンバンクは審査のスピードが速いなどのメリットがあります。一方で、ほかの金融機関と比べて低金利とはいえないため、アパートローンを利用する際は慎重に比較検討しましょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、各種事業の資金を融資・支援するための政府系金融機関です。
原則として個人が利益を追求する目的で行う不動産投資は融資の対象外ですが、例外的に、住環境の整備に寄与する不動産賃貸事業を始める際には融資を受けられます。融資の金利相場は、1.1~2.8%程度が目安です。
アパートローンを低金利で利用するコツ
アパートローンを低金利で借りるには、前章の金利相場を参考に、手数料なども考慮しながら複数の金融機関を比較することが大切です。ただし、そのほかにも押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、アパートローンを低金利で利用するための3つのコツを解説します。
信頼できる不動産会社・建築会社に依頼する
アパートを購入・建築する際には、実績豊富で信頼性の高い不動産会社・建築会社に依頼することがポイントです。アパート経営を始めるまでの準備がスムーズに進むだけでなく、自分に合う金融機関を紹介してくれるケースがあります。
不動産会社と提携している金融機関なら、金利などの融資条件が良い可能性もあるでしょう。
精度の高い事業計画を策定する
アパートローンの審査では、物件の収益性や融資の返済計画など、事業計画の実現性を厳しくチェックされます。そのため、精度の高い事業計画が欠かせません。
プロの知見なしで事業計画を策定するのは現実的には難しいことから、アパートローンを借りる際には信頼できる不動産会社への相談が重要です。
状況に応じて借り換えも検討する
事業開始後、より好条件で借り入れができるアパートローンと出会うことも考えられます。損失が発生している場合など、状況によっては好条件のアパートローンへの借り換えを検討するのもよいでしょう。
ただし、むやみに借り換えするのは望ましくありません。借り換えによって、それまで利用していた金融機関から今後融資を受けられなくなるリスクがある点に注意が必要です。
まとめ
さまざまな金融機関のうち、都市銀行(メガバンク)のアパートローンの金利相場は低い傾向にあります。ただし、その分審査も厳しいため、一概に都市銀行で借り入れるのがよいとはいえません。
地方銀行やネット銀行などの金利相場・融資条件も併せて比較検討し、自分に合う借入先を見つけましょう。その際には、信頼できる不動産会社に相談することが大切です。
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記事の監修者:一誠商事編集部
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