これから先の住処について考えるにあたり、家を購入するか賃貸に住み続けるか、どちらがよいか悩んでいる方もいるでしょう。
もしくは、自分に持ち家と賃貸どちらが向いているのか知ってから考えたい方や、家を買う前に考えておくべきことを事前に把握しておきたい方もいるかもしれません。
この記事では、家を買うこと・賃貸に住むことのメリットやデメリット、持ち家・賃貸に向いている人の特徴を解説します。併せて、家の購入を検討する前に考えておくとよいことについても紹介しますので、家を買うか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
家を買うメリット・デメリット
まずは、家を買う場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
家を買うメリット
家を買うメリットとしては、主に以下が挙げられます。
- 家族の人数や生活スタイルに合った家に住める
- 将来的な資産になる
- 住宅ローン控除などの減税制度の対象になる場合がある
- ローンを完済すれば家賃を支払う必要がない など
上記に加えて、賃貸と比べると内装や間取りを自分好みにアレンジしやすく、最新設備の導入ができる点も強みといえます。また、老後の住居の心配をする必要がないことも利点の一つです。
住宅ローン控除で減税を考えている方は、以下の記事も併せてご覧ください。
家を買うデメリット
家を買うデメリットとしては、主に以下が挙げられます。
- 住宅ローンを支払い続けるのが負担になる場合がある
- 転居などの住み替え時は負担が大きい
- 家のメンテナンスは自身で行う必要があるため、維持費がかかる など
上記に関連して、災害で家が損壊し保険でカバーしきれない分が発生した場合、その修繕費用などは自己負担となってしまう点もデメリットとなりえます。
また、やむを得ない事情で転居した場合は、売却や賃貸などの選択が迫られるため、ライフスタイルの変化に柔軟に対応するのは難しいといえるでしょう。
賃貸に住み続けるメリット・デメリット
続いて、賃貸に住み続けるとどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
賃貸に住み続けるメリット
賃貸に住み続けるメリットとしては、主に以下が挙げられます。
- 住み替えがしやすいため、環境や状況の変化に柔軟に対応できる
- ローン返済の心配がない
- 住居にかかるメンテナンス費用の負担や税金を支払う必要がない
- 自身にとってより生活しやすい場所を選択して住むことができる など
賃貸の場合、突然の転勤や家庭の事情といった転居の必要に迫られるタイミングでも、持ち家と比べると対応しやすいのが強みといえます。
また、住宅ローンの返済や固定資産税といった税金の支払いも必要ないため、万が一将来収入が低下した時、支払い負担の圧迫を気にする必要がないのも利点の一つです。
賃貸に住み続けるデメリット
賃貸に住み続けることは、先述のメリットがある反面、以下のようなデメリットが生じる場合もあります。
- 住宅は自分の資産にはならないうえ、家賃の支払いを継続する必要がある
- 退去時には修繕費などのコストが追加で生じる場合がある
- 老後に住み替えなどで部屋を新しく借りる場合、契約審査が通りにくい恐れがある
- 内装の自由度が低い など
ローンを完済できれば支払いがなくなる持ち家と異なり、賃貸では家賃を支払い続けなければなりません。
加えて、間取りやデザインは物件ごとに決まっているため、個人が自由に変えるのは難しい場合があり、ライフスタイルに合わせるのが難しいと感じるケースも少なくないでしょう。また、老後になると収入面を理由に新しい賃貸契約が難しくなる点にも注意が必要です。
家を買うのが向いている人・賃貸が向いている人のそれぞれの特徴
次に、家を買うのが向いている人・賃貸が向いている人にはどのような特徴があるのか紹介します。どちらを選ぶか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
なお、以下の記事でも「賃貸と購入どちらがいいのか」について紹介しています。検討材料としてぜひ参考にしてください。
賃貸か購入か、ほんとはどっちがいいの？その1
賃貸か購入か、ほんとはどっちがいいの？その2
家を買うのが向いている人
家を買うのが向いている人の特徴としては、まず「収入が安定していること」が該当します。ローンを返済する都合上、継続して決まった額の収入があるほうが、支払いをコントロールしやすいためです。
そのほか、将来的な資産として家を持ちたい人や、一か所に定住することができる人、転勤がない、少ない仕事の人も家を買うのに向いているといえるでしょう。
賃貸が向いている人
賃貸に住むのが向いている人の特徴は、持ち家とは対照的に「転勤が多い仕事に就いていること」が該当します。転勤が多い人は、仕事でさまざまな土地へ赴く都合上、持ち家があると居住費の負担が大きくなるでしょう。
また、収入が年単位、月単位で変動しやすい仕事の人や、住宅ローンの返済を負担に感じやすい人も、持ち家ではなく賃貸が適しているといえます。
賃貸はローンの返済がないため、ローンを借りるのは避けたいケースや収入に合わせた住み替えをしたいケースに対応しやすいでしょう。
家を買うか検討する際の4つのポイント
次に、家が欲しいと思っている方や買うべきか悩んでいる方向けに、購入を決断する前に考えておきたいポイントを紹介します。
家の購入は、以下の4つのポイントも考慮しつつ検討を進めるとよいでしょう。
急いで決断しない
家を買うことは、費用面はもちろん終の住処となりえる場所を決める意味でも大きな買い物といえます。
そのため、焦って購入を決めて後悔することのないよう、あらかじめ自分がどのような場所に住みたいのか、どのような家がよいのかをしっかり吟味することが大切です。
住む場所や家に求める希望条件や重視するポイントは、経済状況や家族状況によっても異なります。したがって、自身や家族の価値観やライフスタイル、ライフステージに合った選択を心がけましょう。
ライフイベントを考慮する
「家は買いたいと思っているけれど、具体的な購入時期について悩んでいる」という方は、家を買うきっかけにはどのようなものがあるのか調べてみましょう。自身が家を買うタイミングを決める参考になる場合があります。
家を買うタイミングは人によって異なりますが、例えば以下のような出来事がきっかけとして挙げられるでしょう。
- 結婚した
- 妊娠や出産で家族が増えた
- 子どもの成長や進学
- 子どもの独立や自身が定年退職を迎えた など
そのほか、周囲の人が家を買った時やローンの頭金分の貯蓄ができた時なども家を買うタイミングとなりえます。また、家計を見直した際に家賃を支払い続けるよりもローンを返済しながら家に住むほうがよいと考えて購入を決断する方も少なくありません。
物件購入費用や税金を把握しておく
家を買う場合、土地の購入費用や住宅の建築費用だけでなく、税金や諸費用が発生する点にも留意し、どのくらいの額が必要なのか事前にチェックすることが大切です。
家を買うためにかかる費用としては、登記費用や住宅ローンの頭金のほか、生活を始めるために必要な家具、電化製品の購入費用などが挙げられます。
発生する費用と併せて、両親をはじめとした親族からの援助の有無や住宅ローンの金額、返済にかかる年数についても調べておくのがおすすめです。
総額がどのくらいかかるのかシミュレーションをしたうえで、自身の収入や貯蓄額と照らし合わせながら検討するとよいでしょう。
実際に家を買った知人や専門家に相談する
家を買った家族がいる場合はその家族に相談するのはもちろん、家を買った知人などにも相談してみるのがおすすめです。実際に家を買う際の流れや購入後の暮らし、出費などを具体的に聞き出せるため、買うべきかどうかの判断材料となります。
可能であれば、家を買ってから長期間住んでいる人や買ったばかりの人などさまざまな視点や状況から話を聞けるよう、幅広い年齢層の人に聞いてみるとよいでしょう。
家に関する専門知識を持つ不動産会社や住宅ローンを提供する金融機関への相談も、家を買うか判断するために有効な手段です。どのようなプランであれば家を建てられるのか、ローンを組めるのかなどを具体的にシミュレーションしてもらいながら考えることができます。
まとめ
家を買うか、それとも賃貸に住み続けるかは現在の収入や貯蓄、ライフステージだけでなく、仕事の転勤の有無などさまざまな要素を考慮したうえで選ぶことが大切です。
そのほか、ローンの返済が不安に感じるなら賃貸、将来的な資産を得たいなら家の購入といったように、目的や価値観によってもどちらが向いているかは異なります。
もし家を買う場合は、急いで決断するのは避け、ライフイベント、物件購入費用や諸費用などを考慮しつつ検討するようにしましょう。実際に家を買った人の意見や不動産会社、金融機関に相談するのも参考になるため、おすすめです。
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