マンション投資における「不動産投資ローン」とは?主な審査項目や審査に通るコツも解説
マンション投資は、長期的かつ安定的な収益が見込まれる投資手法で、本業の傍らで始めることも可能です。ただ、投資を始めるには一定の資金調達が必要なことから、利用できるローンの内容や審査項目について知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マンション投資における不動産投資ローンの概要や審査項目、審査に通るためのコツを解説します。
目次
マンション投資で利用できる「不動産投資ローン」とは
不動産投資を始めるための資金調達手段の一つが、不動産投資ローンです。このローンは、入居者から家賃収入を得ることを目的としたマンション(投資用マンション)などを購入する際に利用できます。
なお、不動産投資ローンは、ワンルームマンションをはじめとした区分所有の物件購入を対象にしています。これに対し、区分所有ではなく一棟まるごとの物件購入を対象とする場合は「アパートローン」を利用するのが一般的です。
不動産投資は大きな魅力を持つ投資方法ですが、最初に数千万円の資金が必要になるケースも多く、自己資金だけで始めることは難しいでしょう。しかし、不動産投資ローンを利用すれば、自己資金が少なくても融資を利用して賃貸用不動産を所有でき、将来的に大きな収益を上げられる可能性があるのです。
なお、初めて不動産投資を始める時のポイントについては、以下の記事でも紹介していますので参考にしてみてください。
不動産投資の最初の一棟はどれが良い?物件の特徴や選ぶときのポイントを紹介
金利は2種類ある
不動産投資ローンの金利は2種類あり、「固定金利」、「変動金利」といいます。
固定金利は、ローンを組んだ時に決まった金利を所定の期間払い続けるのが特徴です。全期間、あるいは3年・5年・10年といった固定金利期間は金利が変動しないため、先の見通しがつきやすく、返済計画も立てやすいのがメリットです。
一方、変動金利は年2回金利の見直しタイミングが設けられており、ローン期間中の金利水準の変化に合わせて、金融機関側で金利の変更ができます。契約時の金利は固定金利より変動金利のほうが低いのがメリットですが、将来にわたって契約時の金利の低さが保証されるわけではありません。ただし、借主の負担を抑えるため5年は返済額が変わらないほか、金利見直し後の返済額が見直し前の返済額の125%を超えないなど、借主保護のためのルールが定まっています。
住宅投資ローンは、原則的に変動金利での借り入れとなりますが、金融機関によっては固定金利型で融資してもらえるケースもあります。
住宅ローンとの違い
不動産購入のためのローンと聞くと「不動産投資ローン」より「住宅ローン」を思い浮かべる方も多いと思いますが、この2つのローンはまったく異なるものです。
不動産投資ローンが賃貸経営を目的に借り入れるローンであるのに対し、住宅ローンは家族などで居住することを目的としています。そのため、賃貸経営を目的とする物件購入に住宅ローンは使えません。
また、融資金額にも違いがあります。住宅ローンの融資金額の上限は、年収の5~8倍程度ですが、不動産投資ローンは年収の10~20倍程度まで借りられます。不動産投資ローンは事業用のローンなので、本業などの給与所得と貯蓄のほかに今後見込まれる家賃(事業収入)を加味して融資額が決定されます。そのため、住宅ローンよりも大きな金額を借りられる可能性があるのが特徴です。
不動産投資ローンの主な審査項目
不動産投資ローンは事業用のローンであるため、申込人に対してのほか、物件(事業)に対しても審査が行われます。以下では、不動産投資ローンの主な審査項目について紹介します。
物件の審査項目
事業に対する審査としては、ローンの対象となる物件の収益性が高いかという点がチェックされます。例えば、人気の地域かつ築年数の浅い物件であれば高い入居率が期待できるため、収益性の高い物件と判断されるでしょう。
物件の資産価値を決めるポイントとしては、以下のような要素があげられます。
- 交通の便が良いか:最寄り駅から物件までの徒歩分数やアクセス手段、最寄り駅が急行停車駅か、など
- 生活利便性:商業施設や病院、学校などの公共施設、金融機関などが近いか
- 物件自体の質:築年数、構造(木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、RC造など)、新耐震基準の建物か、など
- 災害リスク:地震や水害などの自然災害に強い地域か
上記のようなポイントで物件の価値が高いと判断されれば、不動産投資ローン審査で有利になるでしょう。
申込人の審査項目
ローン申込人の主な審査項目を紹介します。
年収
不動産投資ローンで融資を受けるには、700万円以上の年収が目安とされています。ただし、年収500万円以下であってもノンバンクなどであれば、融資してもらえる可能性はあるでしょう。ノンバンクとは、信販会社やリース会社など銀行とは別の金融機関のことを指します。
一方で、年収1,000万円超の場合は、都市銀行や信託銀行など、融資してもらえる金融機関の選択肢が増え、金利や融資期間などの条件交渉も有利に進む可能性が高まります。
勤務先
現在の勤め先の勤続年数、あるいは事業の営業年数は、2~3年以上が必要とされる傾向です。仮に年収が高くても、勤続年数が少ないと安定性が低いと見なされ、審査で不利になるおそれもあります。
雇用されている場合は、基本的には正社員でないと審査には通りづらいでしょう。また、歩合やインセンティブの比率が多い給与体系の場合も、年収の安定性が低いと判断される可能性があります。
資産状況
ほかの不動産を複数所有していたり、預貯金・有価証券が多かったりする場合は、審査で有利になる傾向があります。
信用情報に問題がないこともポイントです。具体的には、ローン支払いで滞納があるといった状況だと、審査に通りづらくなる傾向があります。また、住宅ローンなど、ほかに借りているローンは完済しているほうが審査で有利になるでしょう。
マンション投資のローン審査に通るためのコツ4選
マンション投資のローン審査を有利に進めるためには、事前の準備が重要です。以下では、ローン審査に通るためのコツを4つ解説します。
自己資金をなるべく多く用意する
まずは、マンション投資に向けて、自己資金をなるべく多く用意しておくのがポイントです。自己資金は、ローンの頭金のほか、不動産会社への仲介手数料や火災保険料などの諸費用として必要になります。
不動産投資における自己資金の目安は、物件価格に対して15~30%程度とされています。
例えば、2,000万円の区分所有のマンションを購入する場合、物件価格の20%である400万円ほどをあらかじめ用意しておくとよいでしょう。
なお、以下の記事では、自己資金300万円から不動産投資を成功させるためのコツも解説しています。
不動産投資を自己資金300万円で始める!主な投資の種類や成功に導くポイントも解説
担保価値の高い不動産を選定する
不動産投資ローンの審査では、物件の収益性に加えて、返済が滞った際の担保価値があるかという点も見られます。万が一、ローン返済が難しくなった場合、担保である物件の価値が高いほど金融機関は融資額を容易に回収できるからです。
例えば、築浅の物件であるほど法定耐用年数が長期間残っているため担保価値も高く、審査に通る可能性もアップします。
共同担保を検討する
共同担保とは、1つの債権を担保するため、複数の不動産に担保権を設定して融資を受けることです。例えば、購入予定の物件のほかに、すでに所有している収益用物件や自宅などを担保にすることになります。頭金が足りないなどの事情によって融資額を多めに設定したいケースでは、共同担保を差し入れれば融資がおりやすくなるかもしれません。
ただし、共同担保はそれだけリスクも高くなります。そのため、基本的にはできるだけ共同担保の利用は避けるのが望ましいといえます。ある程度の自己資金を用意でき、返済計画をしっかりと立てられる場合に利用を検討しましょう。
不動産会社に相談する
収益性に優れた物件を探すことができれば、それだけローンの審査で有利になります。そのためには、不動産会社に相談して物件探しをするのも有効です。プロに相談することで、一定の収益性が見込める投資用マンションを紹介してもらいやすくなるでしょう。
不動産会社を選定する際は、物件購入予定地の周辺エリアに精通している会社を選ぶことが重要です。
また、不動産会社によっては、融資に関する相談なども可能です。特に、初めてマンション投資する方にとっては、不動産会社は信頼のおけるパートナーとなってくれるでしょう。
まとめ
不動産投資ローンは、収益用物件を購入する際に利用が可能なローンです。マイホーム購入のための住宅ローンより大きな融資を受けられますが、審査には申込人の信用度のほかに物件の収益性も加味されます。投資の収益性を高めるためにはもちろん、ローン審査を有利に進めるためにも、まずは優れた物件を探すことが重要になるといえるでしょう。
一誠商事では、投資用のマンション探しをサポートしています。初めて不動産投資をお考えの方も、ぜひ一度お近くの一誠商事にご相談ください。
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記事の監修者:一誠商事編集部
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