「アパート経営」と聞くと、多くの方は土地の所有者が物件を建てて経営することをイメージするのではないでしょうか?
しかし今現在、土地を持っていない場合でも、土地を取得することからアパート経営を始めることは可能です。
この記事では、土地なしで始めるアパート経営のメリット・デメリットを紹介するとともに、必要な資金の目安や発生する費用について解説します。併せて、土地を選ぶ際のポイントや注意点についても触れますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
土地なしで始めるアパート経営のメリット
まずは、土地なしで始めるアパート経営にはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
土地がない状態から始めるアパート経営では、アパートを建てる場所(立地)を自由に選択できます。そのため、賃貸需要がより高い地域で経営を始められます。
例えば、駅に近いなど利便性の高いエリアを選べば、家賃を高めに設定したとしても空室が出にくいため、成功率も高まるといえるでしょう。
また、土地の広さや建築条件なども加味したうえで選べるため、希望するアパートの条件に合った土地で経営を始められる点もメリットです。
土地なしで始めるアパート経営のデメリット
土地なしで始めるアパート経営には前述のメリットがある一方で、デメリットにも留意する必要があります。
土地なしからアパート経営を始める場合、土地と建物を両方取得する必要があるため、土地を所有している場合と比べると、必要な資金が大きくなりやすい点に注意しましょう。
自己資金に余裕がない場合、家賃設定時の自由度が下がり、周囲の物件に対して家賃における競争力が弱くなるリスクがあります。
また、自分で立地を選べるのはメリットである反面、賃貸需要や希望条件に適した土地かどうかなどの調査も必要となります。そのため、土地を所有している場合より知識や時間が求められるケースも少なくありません。
土地なしからアパート経営を始めるために必要な資金と発生する費用
続いて、土地なしからアパート経営を始めるためにはどのくらいの資金が必要なのか、そして経営をするうえでどのような費用が発生するのか解説します。
自己資金
土地がない状態からアパート経営を始めるためには、自己資金をある程度準備したうえでローンと組み合わせ資金とし、土地購入や物件の建築を進めるのが一般的です。
自己資金の目安は、かかる総額の1~2割ほどとされます。例えば、3,000万円の土地に5,000万円のアパートを建てるのであれば、自己資金は800~1,600万円となるでしょう。
これまでは、自己資金なし、もしくは自己資金が少額でもローンを活用し融資を受けられるケースがあったものの、近年は審査が厳格化傾向にあり難しくなっています。
ただし、株や債券といった金融資産を持っている場合は、自己資金が少ない状態で審査に通る可能性もゼロではありません。
諸費用
諸費用とは、土地の購入代金やアパートの建築費以外に発生する費用のことです。諸費用の合計額は、かかる総額のおよそ1割が目安とされます。
諸費用に該当するものとしては、土地購入における手付金や不動産取得税、登録免許税や印紙税などが挙げられます。そのほかに、火災保険料や司法書士報酬(依頼した場合)、金融機関への融資手数料なども諸費用といえるでしょう。
諸費用
経営に必要な費用
「ランニングコスト」とも呼ばれ、アパート完成後経営をスムーズに進めるために必要な経費のことを指します。経営に必要な費用は、入居者に支払ってもらった家賃から差し引いて計上するのが一般的です。
例えば、光熱費や火災・地震保険料、管理委託費、修理修繕費や不動産会社への仲介手数料などが該当します。そのほか、経営を進めるうえでは所得税や住民税、固定資産税などの税金も支払う必要がある点に留意しましょう。
アパート経営における経費については以下でも詳しく解説していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
アパート経営の経費で落とせるもの・落とせないものを詳しく解説!判断基準も参考に
アパート経営を成功させるために重要な土地・物件選びにおける3つのポイント
アパート経営を成功させるには、土地はもちろん建設する物件の選定なども大切な要素となり得ます。ここからは、土地・物件選びにおいて重視すべき3つのポイントについて解説します。
都市部・地方それぞれで適した土地を見極めること
都市部や地方など、どういう特徴を持つエリアでアパート経営を始めたいかによって、経営に適した土地は異なります。
例えば、都市部の場合は駅から歩いて5~10分ほどの地域がおすすめです。利便性が高いため、家賃設定を高めにしても需要が途切れず、安定した入居率が期待できるでしょう。
一方、地方の場合は、駐車場スペースを考慮し広い土地を中心に検討することが大切です。単身者向けアパートの場合は戸数分、家族向けの場合は戸数の倍の駐車スペースを確保できる広さがある土地を選ぶとよいでしょう。
間取りはワンルームタイプを選ぶのがおすすめ
アパート経営の場合、基本的に間取りはワンルームタイプにするのがおすすめです。同じ広さの土地でもより多く戸数を確保できるため、家賃収入を得やすくなります。
加えて、ワンルームタイプにして部屋を多く確保することで、空室が出た際のリスクを最小限に抑える効果も期待できます。
例えば、同じ土地面積で全5室のファミリータイプと全10室のワンルームタイプとで、それぞれ空室が1部屋出た場合を考えてみましょう。
前者では家賃収入の減るリスクが1/5ですが、後者の場合1/10まで抑えられます。したがって、より多く家賃収入を得られる方法であるとともに、リスクヘッジの観点からもワンルームタイプがおすすめといえるのです。
土地の建築制限をチェックすること
土地によっては、建築制限や建築条件などが設けられている場合があり、建てられる建物が制限される点に留意しましょう。制限や条件の内容しだいでは、建てられるアパートの規模が変わってしまいます。
条件が厳しい場合、経営するうえで十分な戸数を確保できない恐れもあるため注意が必要です。
土地に定められている主な条件としては、建ぺい率や高さ制限、容積率などがあり、これらは土地の資料にも記載されています。自身で建築制限について調査・判断するのが難しい場合は、土地に詳しい専門家や不動産会社に相談するのも手段の一つです。
土地がない状況からアパート経営を始める際の注意点
最後に、土地がない状況からアパート経営を始める際に気を付けるべきポイントを紹介します。
アパート経営を始めるには時間がかかる
デメリットでも触れたとおり、土地なしからアパート経営を始めるには土地の選定・取得から始める必要があります。加えて、取得後もアパートの建設や管理会社の選定など、さまざまな段階を踏まなければなりません。
土地、もしくは物件がそろっている場合と比べると、経営を開始するまでに時間がかかってしまい、その分収益を得るまでの期間も長くなります。
そのため資金計画を立てる際は、経営開始や収益を得るまでどのくらい時間がかかるのかも留意することが大切です。
ローンの審査に落ちてしまう可能性がある
土地の購入やアパートの建築に際して、自己資金とローンを組み合わせて費用を準備するケースは少なくありません。ただし、ローンの活用を検討する場合は、ローン契約の審査に通らない可能性がある点に留意しましょう。
ローンの審査においては、年収やそのほかの資産、年齢、アパートを建てる施工会社の質などが主な審査項目となります。また、これまでにおける賃貸経営の経験の有無や、ローンの返済実績などが確認される場合もあります。
もし賃貸経営の経験がない場合は、年収や資産など上記の基準が重視される傾向にあり、場合によっては審査に通らない可能性があると理解しておかなければなりません。
まとめ
土地なしからアパート経営を始めるには、自己資金とローンをバランスよく活用しながら経営に適した土地や物件を選択することが大切です。
都市部であれば駅から近い土地、地方であれば駐車場スペースも考慮した土地を選ぶとともに、間取りや建築制限についてもしっかり確認するとよいでしょう。
もし、「自分だけで適切な土地・物件選びやアパート経営が進められるのか不安」という場合は、土地や不動産の専門家に相談するのもおすすめです。
一誠商事では、アパート経営を始めたい、もしくは経営をもっとスムーズに進めたいというオーナーの賃貸経営をサポートいたします。ほかにも、管理委託やアパート経営に限らない適切な土地活用の提案も行っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。
管理戸数実績は北関東エリア1位
入居者募集から管理運営までサポート
一誠商事では、一戸建て・分譲マンション・集合住宅等の
賃貸管理業務が豊富にあります。入居者募集もサポートさせて
いただきますので、お気軽にご相談ください。
記事の監修者:一誠商事編集部
一誠商事株式会社が運営する情報サイト編集部。
不動産売買・賃貸経営・土地活用・不動産相続から快適な暮らしや住まいのことまで、不動産に関する幅広いお役立ち情報を発信しています。
創業50年、茨城県南・県央エリアで
地域密着型の不動産会社
一誠商事は、創業50年を迎えた地域密着型の不動産会社です。賃貸・管理・売買・保険・リフォームを取り扱っており、お客様のお悩み事をワンストップで解決いたします。
所有しているアパート・マンションの空室が多くて困っている、空き家の管理を依頼したい、自宅を売却したい、住み替えを検討している等、不動産に関することならなんでもご相談ください。