アパート経営は初心者でも成功する？起こり得るリスクへの対策を紹介

【初心者必読】アパート経営の特徴

一口に不動産経営といっても、アパート経営もあればマンション経営もあります。そもそも、それぞれの違いは何なのでしょうか。

マンション経営は、一戸から複数戸を所有する「区分所有」と、一棟を丸ごと所有する「一棟経営」に分類されています。一方のアパート経営には、区分所有のような形式はなく、基本的にアパート一棟を所有して経営します。

アパートとマンションを明確に区別する定義はありませんが、アパートは木造や軽量鉄骨造などの2～3階建ての建物、マンションは鉄筋コンクリート造などの3階建て以上の建物と分けられるのが一般的です。そのため、一棟経営した場合、マンションよりもアパートのほうが物件規模は小さいでしょう。

アパートを経営するメリット

ここでは、アパート経営ならではのメリットを紹介します。ほかの不動産経営と比較検討する際にお役立てください。

固定資産税や相続税の節税につながる

人が居住する建物の敷地として利用する住宅用地には、「小規模住宅用地の特例」という制度が適用されます。この制度は、住宅用地のうち、一戸当たり200平方メートルまでの課税標準額が1/6に減額されるというものです。

相続税においても、「貸付事業用の宅地等」であれば、課税価格が50％減額される「小規模宅地等の特例」という特例が適用されます。

現金を相続した場合は、相続した金額すべてが課税対象です。しかし、土地で相続した場合は、現金よりも2～3割ほど安く評価されたうえで課税されるため、節税につなげることができます。

長期的かつ安定的な家賃収入がある

アパート経営を行うことで、長期的かつ安定的な家賃収入が期待できます。前述したように、アパート経営は一棟を丸ごと所有して経営するものです。そのため、すべての部屋が空室にならない限りは、家賃収入が途切れることもありません。

戸建て物件や区分マンションの経営も、管理がしやすく低予算で始められる点を見れば魅力的です。しかし、空室が出た場合、収入が減少するリスクはアパート経営よりも高いといえます。

アパート経営の収入についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

アパート賃貸経営の収入はどのくらい？収入・支出の内訳を理解して所得を最大化しよう

生命保険の代わりになる

アパート購入のためにローンを組む際、団体信用生命保険への加入が融資の条件になっているところも多いです。団体信用生命保険とは、加入者が死亡したり重度の障害を抱えたりした際に、残っているローンの返済が免除されるものです。

この保険に加入しておけば、経営者本人に万が一のことがあっても、家族にはローンのないアパートと定期的な家賃収入が残ることになります。そのため、アパート経営は生命保険の代わりとしての効果があるといえます。

アパート経営で起こり得るリスク

アパート経営を行うにあたっては、起こり得るリスクを想定しておくことも大切です。どのようなリスクがあるのかを具体的に紹介するので、いざという時の対応策について考えてみましょう。

火災や地震などの災害リスク

火災や地震、台風などの災害によって、建物が損傷・倒壊することが想定されます。その場合、不動産価値の減少や資産の消失といったリスクが考えられるでしょう。

災害はいつ起こるのか予測できないため、災害に対応できる保険に加入しておくことが大切です。ただし、保険商品によって保障の範囲などが異なることに注意が必要です。

また、災害が起こった際は、入居者への迅速な対応や配慮も求められます。必要に応じて、家財保険への加入を入居者にお願いしておくとよいでしょう。

空室による収入減少リスク

空室があると家賃収入は減少します。しかし、ローンの返済や維持管理費、修繕費などの経費は通常どおり支払わなければなりません。また、空室の間はオーナーが部屋の管理を行う必要があるため、コストや手間が生じることもあるでしょう。

アパートは低層かつローコストで建築する傾向にあることから、郊外でも経営しやすい物件です。そのため、高層建築が可能で、利便性の良いエリアに建てられることが多いマンションと比べて、空室が発生しやすくなります。

このように、アパートはマンションよりも空室が出やすい物件もあることを理解しておく必要があるでしょう。

老朽化による修繕のリスク

建物は経年によって老朽化するため、必要に応じて修繕を実施しなければなりません。修繕の内容にもよりますが、修繕するごとに数十万円～数百万円の費用がかかると考えておきましょう。

また、20～30年おきに大規模修繕も必要になります。大規模修繕では通常の修繕よりも費用がかかると想定し、毎月の家賃収入から修繕費用を積み立てておくなどの対策を講じることが大切です。

失敗を防ごう！アパート経営初心者が事前に準備しておくべき5つのこと

アパート経営で失敗しないためには、事前に準備を整えておくことが大切です。ここでは、アパート経営を始める前に行うべき準備を具体的に紹介します。

アパート経営の目的を明確にする

老後資金を貯めたい、相続税対策をしたい、専業として収入を得たいなど、アパート経営を行う目的によって、目指すべき方向や達成すべきことは異なります。経営で失敗しないためにも、まずはアパート経営の目的を明確にすることが大切です。

どのような目的のもとに経営を行うのかを明確にしたら、達成すべき目標を数値化するのがおすすめです。数値化することで目標を見失うことがなくなり、失敗を回避できる可能性が高まるでしょう。

具体性のある収支計画を立てる

アパート経営を行う場合、キャッシュフローがマイナスになると経営を継続することは難しくなります。経営を継続していくためには、収支がプラスになる収支計画を立てることが大切です。

例えば、物件取得費としていくら必要か、どの金融機関からいくらの融資を受けるのかなど、詳細かつ具体的な金額をピックアップします。

また、投資額を何年で回収する予定なのか、将来必要な修繕費用はいくらかなども考慮し、リスクが生じたとしても対応できる収支計画を立てるのが理想的です。

アパート経営に関する知識を強化する

アパート経営を行うにあたって、不動産に関する専門知識は不可欠です。特に、宅建業法や建築基準法などの法的な知識は、不動産取引で多いに役立つでしょう。

不動産経営では、税金や法律に関する知識だけでなく、時代に即した賃貸ニーズも理解しておく必要があります。情報のアップデートを図るために、オーナー同士のセミナーや交流会に参加して情報交換をするのも一つの手です。

ターゲットを設定する

アパート経営では、空室を少なくすることが安定した家賃収入に直結します。そのためには、ターゲットを明確にして賃貸ニーズに応えることが大切です。

例えば、一人暮らしの大学生とファミリー世帯では、物件に求める要素が異なります。ワンルームでインターネット環境が整備されている部屋、収納や浴室が広い部屋など、ターゲットのニーズに合っていて、競合と差別化できる間取りや設備にしておきましょう。

ターゲットを明確にすることで、必要な設備を整えたり、収支計画を立てやすくなったりします。

管理方法を決める

アパートを管理する方法として、自主管理・管理委託・サブリースなどが挙げられます。自身で管理すれば費用を抑えられますが、労力がかかるうえ、専門知識が必要になる場面では困ることもあるでしょう。対応ミスなどを防ぐためにも、業者に管理してもらうことを選択肢の一つにすべきです。

管理委託とは、アパート管理の業務を管理会社に依頼する方法です。業務のすべて、または一部を依頼することで、管理の負担を軽減できます。費用はかかるものの、適切な対応や労力の軽減を実現できます。

サブリースとは、所有するアパートを業者が一括で借り上げ、管理を丸ごと業者に行ってもらう方法です。経営を完全に委託できるため経営の手間は省けますが、手数料は管理委託よりも高い傾向にあります。

それぞれの特徴を理解し、自身に適した方法で管理しましょう。

まとめ

一棟丸ごと経営するアパート経営では、節税や安定的な家賃収入などを実現できます。ただし、初心者が挑戦する際は、起こり得るリスクや事前に準備しておくべきことを十分理解してから取り組むことが大切です。

一誠商事は、創業50年を超える地域密着の不動産会社で、不動産に関するさまざまなサポートが可能です。アパート経営を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。