アパート経営が相続税対策になる理由は?メリット・デメリットやポイントも

アパート経営が相続税対策になる理由は?メリット・デメリットやポイントも

現金で資産を持っておくよりも、不動産に組み換えたほうが、相続税の節税効果が生まれます。そのため、相続税対策としてアパート経営を選択する方も少なくありません。

この記事では、アパート経営が相続税対策になる理由や、メリット・デメリット、相続税対策としてアパート経営をする際のポイントを解説します。

なお、アパート経営の相続税以外の節税効果については、以下の記事をご覧ください。

アパート経営で節税するには?所得税・相続税・贈与税の節税対策や効果

アパート経営が相続税対策になる4つの理由

初めに、アパート経営がなぜ相続税対策になるのか、4つの観点から解説します。

現金ではなく不動産で相続するから

経営のためにアパートを購入(建築)して現金を不動産に組み換えると、相続税額が大幅に圧縮されます。

例えば、現金1億円を1人で相続した場合、相続税額は1,220万円です。一方、1億円でアパートを建てた場合は、評価額が6割程度(6,000万円)になるとすると、相続税額の目安は310万円となります。

実際は建物と一緒に土地も相続することになるため、土地の分の相続税もかかりますが、その点を考慮しても節税効果は高いといえるでしょう。

参考:相続税の税率|国税庁

貸家建付地に該当するから

アパートのように、第三者に貸す建物が建っている土地は、「貸家建付地」に該当します。貸家建付地の評価額は、本来の土地の評価額よりも低くなるのが特徴です。

そのため、更地のままの土地を相続するよりも、アパートを建てて貸家建付地にしてから相続したほうが節税になります。

参考:貸家建付地の評価|国税庁

小規模宅地の特例を利用できるから

アパート経営をしている土地を相続する際には、「小規模宅地の特例(貸付事業用宅地の特例)」を利用できます。この特例を利用すると、面積200平方メートルを上限に、土地の評価額を50%減額可能です。

なお、相続から遡って3年以内にアパート経営を開始したケースは、特例の対象外となるため注意しましょう。

参考:相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

アパートローンは債務控除できるから

アパートの建築資金を金融機関から借り、相続時に残債(借入金の残り)があった場合は、「債務控除」ができます。債務控除とは、遺された借入金などを相続財産から減額し、相続税の負担を軽減する制度のことです。

ただし、相続税が軽減されるとはいえ、残債を返済する義務も相続人に引き継がれてしまいます。したがって、債務控除を目的にアパートローンを組むことはおすすめできません。あくまでも、結果的に相続税対策にもなるという程度に見ておきましょう。

参考:相続財産から控除できる債務|国税庁

アパートローンについて詳しい情報を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

アパートローンとは?審査基準や利用する際の注意点をまとめて解説

アパート経営で相続税対策をするメリット

アパート経営で相続税対策をするメリット

ここでは、相続税対策として、アパート経営を選択するメリットを見てみましょう。

比較的土地を選ばない

目安として60坪以上の土地なら、一定の部屋数を確保したアパートを建てられます。また、アパートの賃貸需要は広く、エリアによる建築規制もあまりないことから、比較的土地を選びません。

所有している土地を有効活用できる可能性が高い点が、アパート経営で相続税対策をするメリットです。

「土地あり」から始めるアパート経営、まず確認すべき最重要ポイントと落とし穴とは?

家賃収入も得られる

アパート経営を始めれば、当然ながら家賃収入が発生します。入居者がいる限りは、長期的に安定した収入源となるでしょう。

このように、アパート経営には、相続税対策をしながら収入も確保できるという利点があります。

なお、アパート経営の収入の目安や内訳などについては、以下の記事で解説しています。

アパート賃貸経営の収入はどのくらい?収入・支出の内訳を理解して所得を最大化しよう

アパート経営で相続税対策をするデメリット

ここでは、メリットとともに考慮すべき、相続税対策としてのアパート経営のデメリットを解説します。

経営が赤字になるリスクがある

アパート経営では、入居者が集まらなければ家賃収入が得られず、赤字になるリスクがあります。相続税対策でアパート経営を始めても、トータルで見るとマイナスになってしまうかもしれません。

利益が出ないようなアパートは、相続人も扱いに困ってしまうため、事前のシミュレーションや準備が大切です。

アパート経営が赤字になる原因や対処法については、以下の記事をご覧ください。

アパート経営が赤字になる原因は?損益通算や空室対策などの対処法も

土地の売却が難しくなる

アパートの入居者の権利は、法律で守られています。

例えば、オーナーが土地を売却したいからといって、即座に立ち退きを求めることは困難です。立ち退きを成立させるためには、自ら交渉したり、立ち退き料を支払ったりする必要があります。

よって、一度アパート経営を始めると、その土地の流動性は下がることを理解しておきましょう。

理想的な土地の売り方を!売却の手順やコツ、費用・税金もまとめて解説

アパート経営で相続税対策をする際のポイント

アパート経営で相続税対策をする際のポイント

最後に、アパート経営で相続税対策をしたい方に向けて、2つのポイントを紹介します。

相続時の分割方針を決めておく

複数の相続人が存在する場合、アパートなどの不動産の相続は、トラブルの発生リスクが高まります。現金と比べて、不動産は物理的に分けにくいためです。
アパート経営で相続税対策をするなら、誰がどのように引き継ぐのか、遺言などで事前に分割方針を決めておくことが重要です。具体的には、さまざまな財産をバランス良く配分する方法や、アパートを共有名義にする方法などがあります。

分割方針を遺言書にまとめておけば、相続人はその内容にしたがいスムーズに相続できるでしょう。

なお、以下の記事では、相続時の「共有分割」について解説しています。

遺産相続における共有分割とは?メリット・デメリットや共有状態の解消方法も解説

アパートローンは耐用年数以内で組む

金融機関によっては、長期でアパートローンを組めるケースもあります。しかし、ローンの借入期間は、アパートの耐用年数以内にするのがポイントです。
アパートの耐用年数が経過すると、減価償却期間が終了し、税金の負担が増加します。税負担が増えるタイミングでローンの返済が終わっていないと、経営が苦しくなってしまうでしょう。

可能な範囲で自己資金を活用し、必要以上にローンの借入期間が長くならないよう注意してください。

まとめ

アパート(不動産)を購入して現金を不動産に組み換えることで、相続税の節税効果を得られます。また、アパート経営をしている土地は、貸家建付地に該当すること、小規模宅地の特例(貸付事業用宅地の特例)を利用できることからも、アパート経営は相続税対策として有効です。

相続税対策をしながら家賃収入も得られるので、この機会にアパート経営を始めてみてはいかがでしょうか。

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記事の監修者:一誠商事編集部

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