築古マンション投資のメリット・デメリットは?投資を成功させるコツも解説
投資先として、新築マンションではなく築年数が経過した「築古マンション」をあえて選択する方もいます。築古マンション投資を始める際には、築古物件ならではの特徴を理解しておくことが大切です。
この記事では、築古物件の定義とともに、築古マンション投資のメリット・デメリットや投資を成功させるコツなどを解説します。なお、不動産投資初心者の方は、以下の記事も併せて参考にしてください。
不動産投資のやり方|物件購入・管理運用・確定申告の流れを紹介
目次
「築古」物件とは?
「築古(ちくふる)物件」とは、築年数が長く経過した不動産のことです。築古物件に対し、築年数が比較的新しい不動産を「築浅(ちくあさ)物件」と呼びます。
築古・築浅が築何年を示すのかについて法律などによる明確な定義はないものの、一般的には以下のような使い方がされています。
- 築古:築年数が20~30年以上の物件
- 築浅:築年数が3~5年以内の物件
なお、「築古」と「中古」が指すものは異なる点に注意が必要です。誰かが一度でも入居していたら、築年数に関係なく中古物件として扱われます。
それに対して、新築は築年数が1年未満かつ誰も入居したことがない物件です。新築物件に関しては、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」第2条第2項にて定義されています。
築古戸建て投資とは?魅力・リスクと収益性を高めるポイントを解説
参考:住宅の品質確保の促進等に関する法律第2条第2項|e-Gov法令検索
築古マンション投資のメリット
ここでは、投資先として築古マンションを選択するメリットを解説します。
比較的安価に物件を購入できる
築古マンションは、築浅マンションや新築マンションに比べて安価で購入しやすいのが特徴です。築年数によっては建物の資産価値がほとんどなく、土地の価格だけで購入できるケースもあるでしょう。マンション投資の初期費用を抑えられるため、収支を早めに黒字化できる可能性が高いと考えられます。
また、築古マンションの賃料の下落率は物件価格の値下がりほどは大きくないため、高利回りが期待できます。マンション経営などにおける「利回り」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
賃貸経営の利回りとは?種類別の計算方法や、高い利回りを得るコツなども解説
資産価値が下がりにくい
一般的に、マンションの資産価値は築5年頃までに急激に下落し、その後築20年頃まで段階的に下落していくといわれています。つまり、築20~30年以上の築古マンションの購入時にはすでに物件の資産価値が低下している状態であり、購入後に大きく下落する心配がありません。
マンション経営中に資産価値が下がらなかった場合、購入時と同程度の価格でマンションを売却できる可能性があるため、出口戦略としても有利に働くといえるでしょう。
部屋の面積が広い傾向にある
マンションデベロッパーがマンション建設用の広い土地を仕入れるのは年々難しくなっているため、必然と1部屋当たりの居住面積は狭くなっているのが実情です。
一方で、ひと昔前に建てられた築古マンションは、広めの間取りが多い傾向にあります。築古マンション投資ならファミリー層や在宅勤務を希望する方などへ向けて時代のニーズに合う物件を提供できるので、入居率の維持・向上が期待できます。
築古マンション投資のデメリット
続いて、築古マンション投資を選択するデメリットを解説します。
修繕費用がかさみやすい
経年劣化が進行した築古マンションはメンテナンスが必要な箇所が多く、修繕費用が高くなりやすいデメリットがあります。
例えば、水回りの設備は築30年前後が交換時期の目安です。築古マンションの一棟投資の場合は、部屋の数だけ修繕費用がかさみます。多額の修繕費用がかかると、思うように利益を上げられなくなるでしょう。
融資を受けられないケースがある
マンション投資を始める際には、ローンを活用して資金を調達する方が多い傾向です。
しかし、資産価値が低い築古マンションは担保価値も低いと判断されやすく、融資してくれる金融機関が見つからなかったり、融資額が低くなったりするケースがあります。築古マンションは購入価格が安いとはいえ、融資の受けにくさから自己資金を多めに用意しなければならない点がデメリットです。
以下の記事では、不動産投資ローンの審査項目などを解説しているので、併せて参考にしてください。
マンション投資における「不動産投資ローン」とは?主な審査項目や審査に通るコツも解説
賃料を高く設定しにくい
同じエリアのマンションを比較すると、賃料相場は築年数に応じて低下していくのが一般的です。よって、築古マンションの賃料は相場よりも低めに設定しないと入居者を集めにくくなります。
一方で、賃料が低くなればなるほど、オーナーが得られる収入も減ってしまいます。
耐震面に不安がある
1981(昭和56)年5月31日までに適用されていた耐震基準を「旧耐震基準」、1981年6月1日から適用されている耐震基準を「新耐震基準」といいます。新耐震基準では震度6強~7程度の揺れを想定していますが、旧耐震基準では震度5強程度に留まるところがポイントです。
築古マンションのなかには旧耐震基準で建てられたものもあるため、事前に確認が必要です。場合によっては、お金をかけて耐震診断や耐震補強工事をしなければならないケースもあるでしょう。
築古マンション投資を成功させるためのコツ
ここでは、築古マンション投資を成功させるために押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
立地条件の良い物件を選ぶ
マンション投資を成功させるには、入居者からのニーズの高い物件を選ぶことが大切です。
築古マンション投資では特に「立地条件の良さ」が重要となります。好立地にあるマンションは、築古でも入居者が集まりやすいでしょう。
大規模修繕のタイミングを把握する
マンションでは、12~16年程度の周期で以下のような箇所の大がかりな修繕工事を実施します。
- 外壁・シーリング
- 屋根・屋上
- 給排水設備
- バルコニー
大規模修繕でかかる費用は、通常の修繕・メンテナンス費用と比べて高額です。ワンルームマンションの場合、大規模修繕の費用は1戸当たり100~150万円程度が目安と考えられます。
収支計画に与える影響も大きいため、築古マンションの購入前にはあらかじめ大規模修繕のタイミングを把握しておきましょう。なお、直近で大規模修繕が予定されているマンションの場合は、購入を少し待ったほうがよいかもしれません。
専門家の意見を取り入れる
築古マンション投資は、先述したデメリットから難度が高めの投資といえます。特に不動産投資初心者は、不動産会社などのプロのアドバイスを聞くことが欠かせません。
マンション投資を成功させたいのなら、信頼できる不動産会社に適切な築古マンション選びや収支計画の策定などをサポートしてもらいましょう。
まとめ
築古マンションは新築マンションや築浅マンションよりも安価で購入しやすく、マンション投資の初期費用を抑えられます。また、購入後に資産価値が大きく下落する心配がないため、売却を有利に進めやすい点もメリットです。
ただし、「修繕費用がかさみやすい」「融資を受けにくい」などのデメリットもあります。築古マンション投資で成功するには、専門家のアドバイスを取り入れることが大切です。
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記事の監修者:一誠商事編集部
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