地方での不動産投資を検討するうえで、メリットとデメリットを知りたい方も多いでしょう。地方で不動産投資する際は、物件の価格を抑えやすいなど複数のメリットがある一方、賃貸需要の面でのデメリットも存在します。
今回は、地方の特徴を紹介したうえで、地方と都心のそれぞれで不動産投資をするメリット・デメリットを詳しく解説します。
しっかりと比較して、自分にとってメリットが多い方法を選びましょう。
目次
不動産投資に向いている地方の特徴とは
国土交通省によると、地方は以下のように定義されています。
「地方」とは、三大都市圏を除く地域をいう。
引用:国土交通省「用途・圏域等の用語の定義」
ここでいう三大都市圏とは、東京圏・大阪圏・名古屋圏を指します。
なかでも、不動産投資に向いている地方の特徴の例としては、以下の条件が挙げられます。
- 地方都市やその周辺地域
- 単身者向けの賃貸物件がある地域
- 周辺に大企業の工場や大学がある地域 など
このような条件に当てはまる地域で不動産投資を行うことで、地方でも比較的安定した賃料収入が見込めるでしょう。
不動産投資の最初の一棟はどれが良い?物件の特徴や選ぶときのポイントを紹介
「地方」と「田舎」は異なる
地方と聞くと、田舎を連想する方もいるかもしれません。しかし不動産投資における「地方」は、いわゆる地方都市と呼ばれるような地域であり、田舎とは異なります。前述のような条件を満たし、一定の賃貸需要などが期待できることが特徴です。
一方、田舎は極端に人口が少ない、交通の便が悪いなどの点で、地方(地方都市)とは違いがあります。田舎では物件自体は安くても入居者が見つかりにくく、過疎化が進めばさらに資産価値も下がってしまうため、投資に向いているとはいえません。
地方で不動産投資をするメリット・デメリット
ここでは、地方で不動産投資をするメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
土地が値上がりしている時期に売る
まずは、3つのメリットについて見ていきましょう。
物件の価格を抑えやすい
都心に比べると利便性やニーズが高くない地方では、物件価格を比較的低く抑えられるのが魅力です。特に不動産投資を始めたばかりで、金融機関から受けられる融資額に限りがある場合、物件価格を抑えられるメリットは大きいでしょう。自己負担の金額を少なくすることは、リスクマネジメントの観点からも重要です。物件価格が安い分、固定資産税も低くなります。
高い利回りが見込める
不動産投資を行う際には、採算が取れるかどうかを慎重に検討しなくてはなりません。その代表的な指標が、不動産投資の利回りです。利回りとは、投資(物件購入価格)に対する1年の家賃収入の割合を示したもので、その数字を見ることで不動産収益力を判定できます。
国土交通省の「令和4年都道府県地価調査」によると、住宅地の都道府県別価格指数は、東京都を「100」とした際に、茨城県が「8.4」、埼玉県が「29.9」でした。首都圏であっても周辺の地域は、東京と比べて平均価格指数がかなり低いことがわかります。
すなわち、不動産の購入価格を抑えやすいため、高い利回りが見込めるでしょう。
競合物件が少ない
地方の場合は物件の供給量が限られるので、競合も少なめです。
周囲の価格水準のリサーチは必要ですが、エリアのニーズに合致した物件であれば高い入居率が見込めるので、比較的自由に賃料を設定しやすいでしょう。
一方、都心の場合は似たような条件の物件が多く、競争が激しいといえます。
入居者に選ばれるために、家賃の値下げや部屋のリノベーションなどで差別化を図っているケースも少なくありません。
地方で不動産投資をするデメリット
地方での不動産投資にはデメリットも存在します。次の2つの点に留意して、物件を選びましょう。
賃貸需要が低いおそれがある
地方は都心に比べてそもそも人口が少なく、エリアによっては人口が減少傾向にあります。企業や大学の移転、商業施設の撤退など、周辺環境の変化によって、賃貸需要が大きく低下する可能性も考えられます。
そのため、エリアや物件の選定は慎重に行わなければなりません。物件価格が安くても賃貸需要がさほど高くないエリアは避ける、長期的な需要も見越して不動産投資を行うなどの工夫が大切です。
なお、空室になった場合の対策としては、家賃の見直しやニーズの高い設備の設置などが考えられます。
出口戦略を立てづらいケースがある
不動産投資を行う際には出口戦略、つまり不動産を売却し投資自体を終了するところまで考えておきましょう。売却がうまくいき、賃貸収入も含めて想定していた利益を得られることで、はじめて不動産投資に成功したといえます。
常に入居者が見込める物件やニーズの高い都心の物件は、不動産投資において流動性が高いといわれています。一方で地方の物件は都心と比べれば、流動性が低めです。借り手や買い手が見つかりにくい物件の場合、出口戦略を立てづらくなる可能性があります。
都心で不動産投資をするメリット・デメリット
地方と比較するため、都心で不動産投資をするメリット・デメリットを紹介します。
都心で不動産投資をするメリット
都心で不動産投資をする際には、次の2つのメリットが期待できます。
空室リスクを抑えられる
都心は人口が多いため、賃貸物件の借り手が見つかりやすく、空室リスクを抑えられる点がメリットです。近年では、利便性の高い都内のワンルームマンションについては、若い方のほかに、ご高齢の一人暮らしの方の需要も見込めます。需要が高ければ、いざという時にも希望する価格で売却しやすいでしょう。
ただし、エリアによって人口の増加・減少の変動は異なるため、事前に動向を把握して選定することが大切です。
高い賃料に設定できる
都心のなかでも特に需要のある地域であれば、賃料設定を高めに設定しやすいでしょう。管理費などの経費はかかりますが、賃料を高く設定できる分、収入面でも期待できます。
都心で不動産投資をするデメリット
都心で不動産投資をする場合のデメリットも、2つお伝えします。
物件価格が高い
利便性に優れた都心の物件となれば、物件価格は地方に比べて高くなります。ローンの借入額も高額になるため、慎重に検討しなければなりません。
一般的に、不動産投資を行なう際に用意すべき自己資金は、物件価格の15~30%程度といわれています。都心の物件を購入する際は、地方に比べてより多くの自己資金が必要となり、リスクも増します。
利回りが低くなりやすい
物件価格が高くなることにともない、地方へ不動産投資する場合と比較して、利回りも低くなりやすい点にも注意が必要です。
地方の物件では表面利回りが15%ほどになるケースもある一方、都心の物件では表面利回りが3%にとどまるケースもあります。
ただし、利回りについては、諸経費コストを反映した、実質利回りのほうもチェックしておくことをおすすめします。
地方と都心のどちらで不動産投資を行うべき?
地方と都心の不動産投資は、どちらにもメリット・デメリットがあり、資本力などに応じて検討することが重要です。
例えば、「高い利回りが見込める不動産へ投資したい」「高額な借り入れは避けたい」と希望する方なら、地方での不動産投資がおすすめです。反対に、まとまった資金を用意でき、空室リスクが最大の懸念点という方は、都心への投資が向いているかもしれません。
いずれにしても、不動産投資を成功させるためには、慎重にエリアを選定する、信頼の置ける不動産会社へ相談するなどを意識しましょう。
地方の場合、蓄積したノウハウのある地域密着タイプの不動産会社に頼むと安心です。
まとめ
地方と都心の不動産投資にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、自身の資本力などによって適切な選択肢は変わります。
地方の場合は、物件価格が安く、高い利回りが見込めるのが特徴です。そのため、自己負担の金額を抑えながら、比較的高い収益を得られる可能性があります。
地方の不動産投資に関心があるものの、物件選びの判断に迷う場合には、一誠商事までお気軽にご相談ください。地域密着の不動産会社として創業50年以上の実績があり、プロの視点から、投資不動産の選定についてアドバイスいたします。
不動産投資に不安がある方も初めての方も
どんなことでもお気軽にご相談ください
当社では、総合的な不動産投資コンサルティングを承っております。
不動産の収支改善のご相談やローンの見直しなどはもちろん、
賃貸管理・確定申告などまで幅広くご相談いただけます。
記事の監修者:一誠商事編集部
一誠商事株式会社が運営する情報サイト編集部。
不動産売買・賃貸経営・土地活用・不動産相続から快適な暮らしや住まいのことまで、不動産に関する幅広いお役立ち情報を発信しています。
創業50年、茨城県南・県央エリアで
地域密着型の不動産会社
一誠商事は、創業50年を迎えた地域密着型の不動産会社です。賃貸・管理・売買・保険・リフォームを取り扱っており、お客様のお悩み事をワンストップで解決いたします。
所有しているアパート・マンションの空室が多くて困っている、空き家の管理を依頼したい、自宅を売却したい、住み替えを検討している等、不動産に関することならなんでもご相談ください。