大規模修繕予定のマンション売却はいつがおすすめ?修繕費用の確認方法についても解説!

建築当初は綺麗で何のトラブルもなかったマンションでも、経年劣化による汚れや外壁のひび割れ、破損や漏水といったトラブルを防ぐために大規模修繕は重要です。
ただ、「大規模修繕を予定しているマンションの売却を検討しているが、どのタイミングで売却するのが良いか分からない」という方もいるのではないでしょうか。
マンションの売却には、思っている以上に費用や手数料がかかるため、できる限り売却価格が高いタイミングで売却したいものです。
大規模修繕とマンション価格には関係性があるため、売却の時期によっては売却価格が下がってしまうこともあります。

そこで今回は、大規模修繕を予定しているマンション売却におすすめのタイミングと、修繕費用の確認方法について解説します。

マンションの大規模修繕とは?

そもそもマンションの大規模修繕には、どのような役割があるのでしょうか。大規模修繕を実施する理由や費用、周期について説明をします。

修繕工事を実施する理由

「修繕」とは、一般的に建築当時の水準まで機能や性能を回復させることを目的として行うことを指します。

建築された当初は、綺麗で何のトラブルもないマンションであっても、経年劣化によってさまざまな不具合が生じてきます。
十数年に一度、傷んでいる部分やトラブルが発生している部分の修理や取り替えなどを行い、建物全体の維持と安全を目的とした大掛かりな工事を実施します。これが大規模修繕です。

しかし、修繕だけでは建物の維持管理しかできないため、建物全体の機能や性能面をグレードアップすることで、住みやすいマンションにしていくことを目的とする工事を行うことがあります。
これを「改修」といい、暮らしやすさの実現と資産価値の維持向上を期待することができます。

大規模修繕にかかる費用

大規模修繕には、1戸あたり100万円前後の費用がかかります。マンションの規模にもよりますが、全体の金額では数千万~億単位にも及びます。
しかし、このような大金を急に必要だと言われても準備が難しいでしょう。
そのため、大規模修繕の際に費用を一括で支払うということではなく、マンションの管理組合が住民から毎月徴収して積み立てを行います。

いざ大規模修繕を行う際に、一部の人だけ支払えないといった事態を避けるため、毎月徴収することによって、1回あたりの負担を軽減しているのです。

マンションの大規模修繕は通常12年周期で実施

一般的に大規模修繕は12年周期で行われています。

その理由としては、①「長期修繕計画作成ガイドライン」の公開当初、計画期間の設定が12年であった点、②全面打診調査(※)の実地時期と重ねることによって、効率よく2つのメンテナンスを進めていくことができる点、③マンションの塗膜の劣化を考慮する必要がある点の3つが挙げられます。
※タイルやモルタル等の外装材を使用した壁面全体をテストハンマーで打診する、または赤外線を利用して外壁に損傷がないか確認する調査のこと。

また、大規模修繕が行われる時期については、前回の大規模修繕の時期を確認すれば、ある程度予測することもできます。
もちろん物件の状態にもよるため、前回と前々回の工事の間隔とは限りませんが、目安にはなるでしょう。

一概に大規模修繕といっても、毎回同じ場所をチェックしてメンテナンスするのではありません。

初めの調査では、主に外壁を中心に修繕作業を実施しますが、月日が経てば経つほど当然劣化は進んでいくため、2回目・3回目と回数を重ねるにつれて修繕が必要な箇所も広範囲に及ぶのです。
3回目以降ともなると、修繕範囲が建物全体に及ぶだけでなく、建築基準法の改正などに基づいて、設備の更新や耐震補強工事を行う場合もあります。

マンションを売却するなら大規模修繕前がおすすめ 

マンションを売却するのであれば、大規模修繕前に行うのがおすすめです。ただし、厳密に言うのであれば、積立金が増額される前ではなく、管理組合の総会で修繕積立金の値上げが決まる前に売却を行うべきです。

ここでは、大規模修繕の前にマンション売却をするべき理由と大規模修繕までの流れについて説明します。

理由① 修繕積立金が増額される恐れがある

大規模修繕が実施されると修繕積立金が増額される恐れがあります。

なぜなら、修繕費用は回数を重ねるにつれて高額になっていくため、大規模修繕工事が終わった段階で積立金の残高が少ない場合は、修繕積立金の増額を実施しなければ次回の工事費用が賄えないケースがあるからです。
また、それを見越して、修繕積立金の値上げがあらかじめ計画として決定していることもあります。その場合はマンション購入時に説明を受けているはずですが、説明を受けたことを忘れてしまっているかもしれません。
値上げの計画があれば、マンション入居時の長期修繕計画に記載されているため、心配な人は今一度確認をしてみてください。

さらに、工事費の値上がり問題もあります。少子高齢化に伴って、施工を手がける会社でも人手不足が発生し、人件費が高騰しているため、工事費も値上がりしているのです。
その結果、当初の金額よりも修繕費用がかかり、修繕積立金が増額される恐れがあります。

理由② マンションの売却価格が下がってしまう恐れがある

また、修繕積立金の月額が高くなると、マンションの売却価格を下げざるを得ない場合があります。

例えば、住宅ローンを組んでマンションを購入すると、毎月返済額とは別に毎月修繕積立金が発生します。
修繕積立金が1万円の物件と2万円の物件では、同じ価格のマンションを購入しても、月の負担額が1万円も変わってくるのです。

そのため、修繕積立金の増額に応じて、マンションの売却価格を下げなければ、なかなか買い手が見つからないという事態に陥ってしまうことがあるため、注意が必要です。

「一時金の徴収」や「修繕積立金の値上げ」までの流れ

「一時金の徴収」と「修繕積立金の値上げ」の具体的な流れは以下のようになります。

①    もともと計画されていた大規模修繕の時期が近づいているものの、積立金が不足している。

②    「一時金の徴収」や「積立金の値上げ」が管理組合の総会で提案され、決定する。

③    この時点で売却時の重要事項説明書にその旨を記載し、買手に説明する義務が生じる。

よって、売却のタイミングとしておすすめなのは、総会でそれらの事項が可決されるよりも前ということになるのです。

マンションの大規模修繕の時期と費用の確認方法

マンションの大規模修繕の実施によって、修繕積立金が増額された場合は、マンションの売却価格も調整しなければなりません。

そこでまずは修繕積立金の値上げの計画があるかどうか、また、計画がない場合でもその可能性があるかどうかを確認してから売却の計画を立てるべきでしょう。ここでは大規模修繕の時期と費用の調べ方について説明します。

計画の有無と期間を確認する

大規模修繕計画の有無や期間は、マンション管理会社や管理組合の理事に問い合わせることによって確認が可能です。計画があれば、計画書の提出を求めることもできます。

実際に大規模修繕が実施される場合の工事期間の目安を以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。

マンションの規模 工事期間
50戸以下の小規模マンション 23ヶ月
50100戸の中規模のマンション 36ヶ月
100戸以上の大規模マンション 68ヶ月
040階の超高層のタワーマンション 2~3年

国土交通省のガイドラインと収支計画表を確認して比較する

また、大規模修繕に必要な費用の目安は、国土交通省が平成23年に出した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」で確認できます。
これによると、床面積あたりの修繕積立金の目安額は以下の通りです。

階数 延床面積 修繕積立金(月額の平均値)
15階未満 5,000㎡未満 218円/㎡
5,00010,000 202円/㎡
10,000㎡以上 178/㎡
20階以上 206/㎡

【参照:マンションの修繕積立金に関するガイドライン

例えば15階未満・ 7,500㎡のマンションで、80㎡の部屋であれば、

202円×80㎡=16,160円 が月額の修繕積立金の相場だということです。

もし現在支払っている修繕積立金が相場よりも安く設定されている場合は、大規模修繕後に積立金が足りず、増額される可能性が高いことも頭に入れておきましょう。

また、収支計画表を取得すれば、これまでに住民が納めた修繕積立金の額を知ることができます。
長期修繕計画書と収支計画表とを比較して、現在までに積み立てている修繕金と今後積み立てられていく修繕金を算出して、工事費用を賄えるかどうかを確認してみましょう。
もしも不足していれば、一時金の徴収、それでも足りない場合は積立金の増額になると考えられます。

買い取りという方法も!

マンションの売却方法として一般的に知られているのは、不動産業者に売却価格を査定してもらい、媒介契約を結んでから買主を探す「仲介」です。

しかし、不動産業者に直接買い取ってもらう「買い取り」という方法があるのをご存知でしょうか。
買い取りのメリットとして、仲介手数料が不要である点やスピーディーかつ確実に現金化ができる点が挙げられます。
しかし、市場価格よりも1〜3割程度低い価格での売却となる場合もあるため、十分に検討する必要があるのも事実です。

一誠商事では、不動産の買い取りサービスも実施しております。
このサービスでは、お客様の物件を査定後、売却活動をせず一誠商事が直接買い取ります。

市場価格や近隣の類似物件の取引事例から売却価格を算出する「机上査定」と、実際に物件を見る「訪問査定」があるため、自分に合った査定方法を選択することが可能です。

不動産の買い取りをお考えの方はこちらより、お気軽にご相談下さいませ。

まとめ

大規模修繕は、マンションの安全を守るためにも重要な工事です。
しかし、多大な費用が必要なため、次回の大規模修繕工事に向けた積立金の増額が決まれば、マンションの売却価格が変動する可能性もあります。
より高い金額での売却を目指すには、修繕積立金の増額前に行うことも選択肢のひとつとなります。
そのためにも、大規模修繕工事の時期と費用をしっかり把握し、検討できるようにしておくことをおすすめいたします。

また、信頼できる不動産業者に仲介を依頼することで、マンション売却が初めての方でもスムーズに売却することができます。

マンション売却を検討されている方は、一誠商事までお気軽にご相談くださいませ。

ISSEI

記事の監修者:一誠商事編集部

一誠商事株式会社が運営する情報サイト編集部。

不動産売買・賃貸経営・土地活用・不動産相続から快適な暮らしや住まいのことまで、不動産に関する幅広いお役立ち情報を発信しています。

創業50年、茨城県南・県央エリアで
地域密着型の不動産会社

一誠商事は、創業50年を迎えた地域密着型の不動産会社です。賃貸・管理・売買・保険・リフォームを取り扱っており、お客様のお悩み事をワンストップで解決いたします。

所有しているアパート・マンションの空室が多くて困っている、空き家の管理を依頼したい、自宅を売却したい、住み替えを検討している等、不動産に関することならなんでもご相談ください。

創業50年、茨城県南・県央エリアで地域密着型の不動産会社